【吉田和史】「スペインは言語化できていて日本人にとって欧州のなかですごく理解しやすく魅力があると思うけど、根底の部分は日本と真逆のことが多い」

「岡崎慎司 w/ 欧州指導者組」
キャリア20年現地指導者に聞く「スペイン育成のシステム&思考法」(中編)
ゲスト:吉田和史さん(スペイン・マリオナオ ポブレユース A元監督)
全3回 内容
前編 【スペイン育成事情】選手が監督を食うか、監督が選手を食うかーーその意味とは?←配信中
中編&後編 【システム】「上手くなるために「休む」スペイン人、「休まない」日本人」←今回
【思考法】スペインの指導教科書はなぜ「マンマークディフェンス」から始まるのか?←10/11配信予定
<テキスト解説> 吉田和史氏が見た「スペイン育成システムと思考法」
中編・配信内容
・スペインの育成年代はどのくらい練習するのか?
・「朝練」という言葉がない
・スペインで大事にしている3つのベース
・「審判1人」で試合する
・参加者を増やすためにはハードルが少ないほうがいい
・夏の時期、日本はなぜ休まないのか?
 ・成長期のともなう負傷は日本の事例から学ぶことが多い
・夏にやるかやらないか?1シーズン通して2ヶ月休む時間を設けるか?
・上手くなるために休むスペイン人、休まない日本人

中編・視聴時間
17分47秒

 今回のdialogue w/は「スペイン育成のシステム」について、現場での指導キャリア20年を持つ吉田和史氏と岡崎慎司選手と徹底議論する。

 吉田氏は「国ごとに慣習というものがある」と前置きしたうえで、次のようにスペインと日本の根底にある「違い」について指摘する。

「スペインサッカーは言語化できているところで、日本人にとって欧州のなかですごく理解しやすく魅力があると思うけど、根底の部分を見ると、日本と真逆のことが多い。そこには隔絶された世界観があるから融和性の面では難しい」

 一つの例として、吉田氏から育成年代の試合映像を見せていただいた。

(C)吉田和史氏提供
 

 上の画像はスペインのジュニアユースの試合映像のワンシーンをカットしたものだが、サッカーに携わっている日本人なら「違和感」があったはずだ。そう、審判が1人しかいないのだ。通常の試合ではピッチ内に「主審」が1人いて、タッチラインには2人の「副審」がいる。

 なぜ、スペインでは審判が1人で笛を吹くのか。
   なぜ、上手くなるために、スペイン人は休むのか。

 そんなスペインの慣習に対して岡崎選手が疑問を投げかけると、吉田氏の口からは、両国の育成におけるあらゆる慣習やシステムの違いが次々と出てくる。

 岡崎選手と育成のプロフェッショナルとともに紐解く、両国の育成システムの違和感やギャップとはーー。ぜひご覧ください(全3回の2回目)。

【岡崎慎司×吉田和史】スペインでは「選手が監督を食うか、監督が選手を食うか」。その意味とは?

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吉田 和史さん(よしだ・かずふみ)
1976年生まれ。
4年間のイタリア滞在を経て2003年8月からスペインのバルセロナ在住。
これまでバルセロナ近郊のマリオナオ ポブレ・ユースA監督をはじめ。
育成年代9~18歳の全カテゴリー、社会人リーグ監督を経験。
スペインサッカー協会公認ライセンス『レベル3』(『UEFA Pro』『日本S級』相当)保持。

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