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「子どもたちには、何かやらずに終わったり後悔したりすることがないようにして欲しい」

 シント=トロイデンVV(ベルギー1部)は5月21日、福島県楢葉町のJヴィレッジで「Jヴィレッジチャレンジ 2023 powerd by シント=トロイデンVV 小学生サッカー教室」を実施。チームからは日本人選手4人が参加し、小学生の子どもたちと一緒にサッカーをおこなった。

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 岡崎慎司選手の他に、橋岡大樹選手、林大地選手、原大智選手、さらには元プロサッカー選手でYouTuberの那須大亮さんが講師を務め、福島県内および県外から小学生約140人が参加。

 小学校低学年と高学年の2部制で、選手たちの指導のもとドリブルやシュート練習、その後に選手たちと子どもたちがそれぞれチームに分かれてミニゲームで対戦。

 選手も子どもたちも笑顔に包まれるイベントとなった。

 このイベントの様子は動画やLive配信でも配信予定。長く海外で生活するなかで日本の子どもたちと世界の差はあるのか? 指導においてプロ選手との触れ合いにどんな価値を持たせることができるのか?

 今回はイベント後の岡崎慎司選手のコメントをお届けします。

 

――子どもたちと触れ合ってみてどうでしたか?

岡崎 楽しいですね。この年代の子たちと単純にサッカーをする楽しみというのは、プロでやるサッカーの楽しみとはまた違って、本当に大事なものを教えてくれるし、少しでも自分たちが触れ合ったことで、何かサッカーの楽しみであったりモチベーションに変えてくれたらうれしいです。

――大事なものとありましたが、子どもたちと触れ合うことで一番感じたものはありますか?

岡崎 いや、もう本当に単純な練習しかやってないし、サッカーのゲームにしてもボールを追っかけるのも団子状態で一見みんな考えてないように見える。

 でもやっぱりボールを追いかけるっていう基本的なことができるっていうのは、大人になってからだと考えが先で、走ることができなくなるというのはよくあるので、それを思い出させてくれるというのは子どもたちだと思うので、本当にこういう気持ちを大事にしてほしいなと心から思っています。

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――サッカー教室にはこれまでたくさん参加されていると思いますが、そのときに大事にしていることはありますか?

岡崎 一番はその年代であったり、そのレベルであったりというのがあるので、それに応じて必要だなと思うこと。

 その時、その時にやっているんで、今日だったら本当にサッカーの楽しみであったり、そういった部分を伝えてばいいかなと思うし、もっとレベルというか、学年が上がったりしていけば、もっとチームスポーツであったり、プロになる厳しさであったりとか、現実を話したりもするし、それぞれです。

――子どもたちにとってすごい貴重な出会いだとか、何かきっかけになると思うと、岡崎選手自身は子ども時代のサッカー教室での思い出は?

岡崎 1回もなかったですね。正直、その気持ちっていうのはあんまり分からないんですけど、ただヨーロッパに行ったり、日本代表になったり、Jリーガーになってから気づくことはたくさんあったので、(選手に)なる前に知っておけばよかったなって思うこともたくさんあるので、そういうことが少しでも選手から話ができたり、体験してもらえることは、子どもにとってはいい経験になるのかなと思います。

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――ヨーロッパのチームが選手も参加し、日本でこのようなイベントを開催することは珍しい。

岡崎 そうですね。ヨーロッパのクラブがこういう活動するっていうのは素晴らしいことだと思うし、欲を言えばもうちょっと指導の面とか、もっと力を入れたら子供たちももっと得られるものがあるのかなと。

 例えば、シント=トロイデンからコーチが来て練習してとか。そういうのも過去にはしてるらしいですけど。

――ヨーロッパで現地の子どもたちを相手に、このような試みをしているクラブはありますか?

岡崎 シーズン中にやっているところはあると思います。シーズンオフにやることはおそらくないですね。オフはオフとして休んでいる印象です。

――過去に岡崎さんが参加されたことは。

岡崎 現地のブリュッセルの子たちとかを呼んだり、シント=トロイデン(所属)の子たちを呼んだサッカースクールは参加したことがあります。

――何か日本の子供と海外の参加した子どもで何か違いってありますか?

岡崎 基本的にないですね。シャイだったりもするし、全然変わらないです。

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――今日のシュート練習中、「ボールの置き場所が大事だよ」と子どもたちにアドバイスされていました。

岡崎 そうですね。まあ(子どもたちも)普段からコーチに言われていると思うんで、全然特別なことは言ってない。これを僕たち選手が言うというのが重要なのかなと。

 選手の話となったら普段よりも聞くと思うし、選手たちもそういう基本的なことを大事にしているという風に思ってもらえればよいかなと。

――今回参加された子どもたちは年代的に小学生でしたけれども、やはり楽しむことと上手くなりたいっていう気持ちが大事なんでしょうか。改めて、どういうことを意識してサッカーに取り組めば子どもたちはいいと思われますか?

岡崎 とにかくやってみて、トライアンドエラーですね。やって、失敗して、覚えて、成功して、成功体験をいっぱいしてというのをどんどん繰り返していくということが大事なんで、何かやらずに終わったり、後悔したりすることがないようにしたほうがいいと思う。

 突き詰めるっていうことじゃないですけど、本当にシュートが決めたいんだから、自分の何で決めたいかとか、何が得意なのかとか、そういうことを考えるようになって、さらにトライアンドエラーするっていうこの流れが増えていけばいい。

 それができないから、たぶん大人になった時に急に考えろって言われて、それができなくなるんで、今の(時代の日本の)子たちと海外の子たちとの違いはやっぱり自己主張であったり、自分の考えを持つっていうこと。

 だからその今日で言うと、(ボールの置きどころを)ただ良いポジションに置くだけじゃなくて、自分でその良いポジションを探すっていうのが大事だと思うので、それはやっぱり考えて欲しいです。

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――岡崎さんは、そういうことはいつ気づいたんですか。

岡崎 やっぱりそれを気づいたのが、結局コンプレックスがあって、足が遅いからどうやったら勝てるかをよく考えました。ただ子ども(の頃)なので考えることはシンプルなんですけど、足が速くなりたいからって例えば毎日20メートル走を10本やるとか、そういうことも考えてやっていました。

――なるほど。

岡崎 (足が)速くなることはなかったけど、そういうことを考えてたから、フィジカルトレーナーの杉本龍勇さんと出会ったときに敏感に自分がそういったことに反応できた。オフの期間を利用して杉本龍勇さんに練習を教えてもらったりしたっていうのはたぶん自分だけだったので。結局は考えていないと、そのアンテナを張ってないと、いざという時につかめないと思ってるので、その出会いとかに対しても。

 だから考えるってことは大事ですね。

――楽しみ方が年代によって変わるっておっしゃっていたように、やっぱりそこの挑戦というか、トライアンドエラーして課題をクリアしてというのが大事になってくるということですね。

 ちなみにDialogue w/を見ている方の中には子どもたちの親御さんもいらっしゃると思いますが、改めて何かアドバイスがあれば。

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岡崎 (親は)本当に見守るっていうのが一番大事だと思います。子どもは好きなものとか、得意な部分をどれだけ見つけられるかだと思うし、そういうことに対してのサポートっていうのが重要で、サポートが先に入っちゃうと、子どもが考えなくなっちゃうと思うし、方向を決めちゃってしまう。

 そうじゃなくて、最初に子どもの反応を見るっていうのは大事かもしれないですね。自分自身が考えるようになったのもある意味で、そういうことを任されてたっていう部分が多いので。その辺はすごく難しい問題ではあると思うんですけど。

――差し伸べすぎても考えなくなる。

岡崎 その自己主張するかどうかは別として、自分の意見を持つっていうのは大事なので、指導者もそうですけど、子供の意見を引き出すために親は「今の何がしたかったの?」と質問したうえでその話を聞いてあげて、じゃあ次もまた会話広げてあげて、そこでの答えを別に教えないみたいな。

 そこで重要なのは、何かを考えることで、「まずは次はこういう風に何か狙いを持ってやってみれば」みたいな。そういうことも重要なのかなと思います。

――こういうイベントに参加して何を感じたか。そういう話をする機会を与えることも大事?

岡崎 そうですね。保護者の方と話して、今日の話題を「今日どうだった?」とか投げかけて、その反応を見て、それで次は「あのとき言われたことをやれてるな!」とか、「何を考えていつも参加してるの?」とかそういうやりとりが重要なのかなと思います。

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――ありがとうございます。最後に会員の皆さんにメッセージをお願いします。

岡崎 会員の皆さん、1年間たくさんの人と対話をして、自分が知らないことを経験してきた人たちから話を聞けて、僕自身もすごい頭の中で整理されたし、こうしていかなきゃいけないのかなという風に思うことがたくさんありました。

 5月24日のライブ配信は、それを一緒になって考えて話ができればありがたいなと思います。ぜひ皆さん参加してください!

 
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「欧州にあって日本にないもの」「新しい価値を作るためのキーワード」をベースに、海外で活躍する日本人指導者や各界の第一人者たちと語り、学び、交流し、実行に移していく実験的場所!

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