
カタールW杯の得点ランキングトップ4名、エムバぺ、メッシ、ジルー、フリアン・アルバレスは、決勝を戦ったアルゼンチンとフランスの選手である。
また24/25シーズンの欧州リーグにおいて、リバプールのサラー、バイエルンのハリー・ケインという、リーグ優勝を果たしたチームの選手が得点王に輝いている。
この結果から、W杯や欧州のトップで優勝をするための1つのポイントとして、得点の取れるFWの存在が重要性だと考えることもできる。
果たして日本サッカーから彼らのような世界基準のFWは生まれるのか?
今回は6月29日、大阪で、「どうすれば世界基準のFWは生まれるのか?」をテーマに、香川真司選手と岡崎慎司の対談、奈良クラブアカデミーTDの内野智章氏とUEFA Aライセンスを持つ木村暁氏とのディスカッションをするリアルイベント「Dialogue w/ Forum」開催の直前ということで、参加者のひとりである分析官・木村暁氏のインタビューをお届けする。

1998年6月8日生まれ。神奈川県出身。2020年にサウスウェールズ大学フットボールコーチング学部へ入学、2023年に首席で卒業。今年5月にUEFA Aライセンスを取得し、これまでにカーディフシティFCのアカデミーコーチやウェールズ代表U-14の分析官、ウェールズリーグ1部のクラブのトップチームコーチなどを歴任。2024/25シーズンはPontypridd United FCでトップチームコーチとU-16の監督を務めた。
UEFAAライセンス分析官からみた日本サッカー
ーーこれまで欧州での活動がメインだったと思いますが、日本を意識することはありましたか?
もちろん常に日本のことは気にかけていました。
実際指導や分析の現場でも、日本で良いとされていることが海外ではそうではなかったり、もちろんその逆もあるなど、それぞれの特徴を比較しながら指導を続けてきました。
ーー日本代表やJリーグの試合はご覧になりますか?
もちろん拝見しています。
もともと浦和レッズのファンなのでよく見ますし、ほかのJリーグの試合も見ています。なのでJリーグで起こっている現象は、欧州ではどうなっているのかというお話もイベント当日は出来たらなといいなと思っています。
ーー現在の浦和レッズやJリーグのサッカーを観ての率直の感想を教えていただけますでしょうか。
今の浦和は個々人の能力が高い印象です。
戦術については現代のトレンドを取り入れて松尾佑介選手がFWとして起用されているのではと考えています。
あとは今の柏レイソルをみていると、これが攻撃だよなと思ったりします。
町田ゼルビアはまた違っていて、ああいうサッカーではイングランド・チャンピオンシップではよくみるので、一つの有効な手だと思います。
同じリーグでいろんな攻撃の形が観れると盛り上がりますし、いろんなサッカーがあればそのぶん対策も進んでさらにサッカーが進化していくという流れになると考えています。
日本の「FW」議論に欠けた視点
ーー今回のイベントのテーマは「FW」について、課題はどこにあると思いますか?
日本サッカーの長年の論点だと思いますが、抽象的な議論になってしまっていると感じています。
「決定力がない」とよく言われたりしますが、そもそも決定力が何なのかということを具体的にしていかないと、議論は発展していかないと思います。今回のイベントでは、そういった根本のお話もできればなと思っています。
ーーFW育成のアイデアはありますか?
ゴール前のホットゾーンと呼ばれる場所でいかに質の高いプレーが出来るのかというのが、点を取ることにおいて重要だと考えています。
そこでの技術的な指導もそうですし、そこでボールを受けるための技術が現代サッカーには求められていると感じます。
ーー現代サッカーでは「アスリート能力」が求められているとも言われますが、指導によって「アスリート能力」や「体格」を伸ばすことは可能ですか?
ある程度までは伸ばせる可能性はありますが、やはり個人が持っているポテンシャルにも関わってくると思うので、欧州では最近、アフリカ系のルーツを持つ選手が増えているというのも、遺伝子的な素養も関わっているのではと思います。
そんな欧州サッカーの中で競合していくというのは、難しい部分もあるのかなと感じています。
ーー日本人FWが世界基準で戦うためのアイデアはありますか?
身体の使い方は大事なポイントだと思っています。
例えばボールを背負って受けるプレー。
もちろんフィジカル的な部分はあると思うんですが、身体を上手く使えることによって背後からのプレッシャーがあってもしっかりボールを収められたり出来ると思うんですよね。
日本代表では大迫勇也選手や上田綺世選手。
けっして欧州トップの選手に比べて体格的に優れていたわけではないですが、身体の使い方が上手かったと思います。
指導者あるいは分析官が身体の使い方を教えてあげれば欧州でも通用する選手は出てくるのではと考えています。
トップで活躍する方と「FW」について深く話す機会はないので、どんな議論ができるのか楽しみです。私が海外で学んできたことをお話できればと思います。
岡崎慎司、香川真司らが「サッカーを深く、楽しく語り尽くす!」
「Dialogue w/ Forum」大阪で開催!

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4年目を迎えた「Dialogue w/」で初のリアルイベントを開催!今回は岡崎慎司が現役時代にこだわり、葛藤し、そして結果を出し続けてきた「FW」について。
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