渡部陽一「1000枚の戦場」59~62/1000・戦場カメラマンの危機管理
第15回は「59/1000~62/1000枚目」。
命を落とす事もある紛争地の取材。
最悪の事態を回避する能力は戦争だけでなく、震災などの自然災害や、様々なアクシデントから身を守る上で、必要になります。
そこで、今回は渡部陽一氏が数々の紛争地取材から学んだ危機管理について、ご本人の経験と写真で振り返ります。
「1000枚の戦場」
渡部陽一が解説する「戦場」の日常。近いようで遠い世界の本当の姿を1000枚の写真が映し出す。隔週土曜日に最新回配信。
アフガニスタン取材から学んだ危機管理術
こんにちは。戦場カメラマンの渡部陽一です。
戦場カメラマンという仕事。
イメージでは危険な紛争地に1人ぼっちで、たくさんのカメラを持って、前線に降り立ち、地雷が埋まっている所を駆け回りながら写真を撮る危ない仕事。
そんな戦場カメラマンのイメージというものがあるかも知れません。
でも実は戦場報道、戦場カメラマンが現場に入った時に、写真を撮る仕事以上に一番大切にしている事があるんです。
それは「危機管理、安全が第1」。
「写真を撮る仕事、取材は第2」。
この優先順位が動く事は絶対にありません。
そして戦場に飛び込んだ時、イラクでもシリアでも、それこそウクライナでも、コロンビアでも、スーダンでも、実は現場では絶対に1人ぼっちで紛争地を歩き回って取材をする事は絶対にありません。
必ず戦場の前線で取材をする時には、僕自身、そして取材をする「その国、
取材地域」で生まれ育ってきた戦場のガイドさん。
そして、その国の言葉を話すだけではなく、取材地域ならではのアクセントを
使いこなす通訳の方。
さらには何か事件が起こった時に僕自身やチームの身を守ってくれるセキュリティの方。
実は戦場取材では、僕を含めて最低4人で取材のチームを組み立ててから初めて前線を動きながら写真を撮る事ができます。
僕1人では危機管理を管理する事ができない、その国が持っている危機管理の
考え方、そしてセキュリティとして、どこまで万が一何か起こった時に地域の方々を守れるか。
このセキュリティの方々と仲良くなっておく事。
情報をお互い共有しておく事。
その時には何か起こった時にこちらに避難するという、たくさんの避難経路、
実際見せてくれました。
僕自身も宿泊している時にホテルにタリバンのロケットランチャーが打ち込まれたんです。
ホテルのすぐ目の前、そのときに即座にその地域のセキュリティが集まり、避難経路、特に密集している住居だったので住宅地。
そこでは屋根を使ったり、階段を使ったりたくさんの避難経路を見せてくれました。
その時、驚いたのは・・・。
(渡部陽一さんが驚いた衝撃の避難方法とは!?……続きはフルバージョンで✅)
【その他の写真】
・写真8/1000:人道回廊で蜂の巣にされた車
・写真12/1000:並ぶ戦車(ウクライナ)
・写真17/1000:溶けたロシア軍戦車
・写真19/1000:広大なひまわり畑
・写真23/1000:忘れられた孤島「スーダン」
・写真27/1000:タリバーンが力を再興させた「アフガニスタン」の今
・写真31/1000:新疆ウイグル自治区で暮らす人々
・写真35/1000:「トランプ・共和党」熱狂の背景を映した1枚
・写真39/1000:金日成・正日が示す威光
・写真46/1000:ウクライナの悲しみを表した赤と黒の旗を羽織る少年
・写真51/1000:頭にボールを乗せるイラクの少年
・写真55/1000:イラクの群衆
👇毎配信をまとめて視聴は以下より👇 (今回の動画は2022年12月に撮影しました)
「戦場」の真実をどのくらいの人が理解しているか。戦場にある悲惨な現実。犠牲になるのは子どもたち。一方で、戦場にいる人々は「私たちと同じ」日常を持っている。これも「戦場の本当の姿」――。戦場カメラマン渡部陽一が撮ってきた写真の中から、1000枚をピックアップ。写真とともにその背景を知る。「戦場の真実」と「世界の本当」を学ぶ。
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