渡部陽一「1000枚の戦場」27~30/1000・アフガニスタン

【内容】
渡部陽一氏が撮ってきた膨大な写真の中から1000枚をピックアップし、「戦場のホント」を動画とテキストで解説する。

第7回は「27/1000~30/1000枚目」。
今回はアメリカ軍が撤退して1年以上が経過した「アフガニスタン」の
現状と学校教育について。
アフガニスタンの取材経験も豊富な戦場カメラマン渡部陽一氏が
教育の重要性を力説する。

 

写真27/1000:銃を構える多国籍軍(NATO)所属のアメリカ軍兵士
写真28/1000:ケシ畑を歩いているアメリカ軍の兵士
写真29/1000:カンダハルに駐留していた多国籍軍
写真30/1000:地べたに座りながら学ぶアフガンの少女たち

「1000枚の戦場」
渡部陽一が解説する「戦場」の日常。近いようで遠い世界の本当の姿を1000枚の写真が映し出す。隔週土曜日に最新回配信。

 こんにちは。戦場カメラマンの渡部陽一です。

 アフガニスタン。情勢が大きく動いています。昨年の8月31日。約20年間駐留していたアメリカ軍がアフガニスタンから完全撤退しました。

 同時に、イスラム主義組織「タリバーン(※)が力を再び再興させ、アフガニスタン全域を統治下に置きました。

※「タリバーン」(タリバン)
アフガニスタンで活動するスンニ派組織。これまでアフガニスタン政府やアフガニスタン駐留外国軍を主な標的としてテロを実行。2021年8月にアフガニスタンの実権を掌握。

 タリバーンは当初、昨年の8月31、そして9月の段階で、こう世界にメッセージを送りました。

 我々タリバーンはアフガニスタンの国民に対して、今後、融和路線をとっていく。それは、女性の自由な教育、子供たちの整ったオープンな教育環境、さらには女性の仕事への社会進出。

情報そのものが上がってこない

 さらには、地域の暮らしぶりという中で、家族だけが孤立するのではなく、誰しもが自由にイスラムの思想に乗った上で、生活を保っていくことができる厳格さではなく、より柔らかく、オープンに国家体制を作っていくという姿勢を広報官の方は世界各国に配信しました。

 そこから約1年が経過しています。

 アフガニスタンの中からは、実際に自由、タリバーンの統治体制、情報そのものが、なかなか上がってこない状況に陥っています。

 それは、タリバーン政権というものが情報統制というものをかなり強めていて、世界各国のメディア。

 アフガニスタン国内のメディア。

 自由な報道体制というものがかなり厳しい状況に陥ってしまっている。

 それになかなかアフガニスタン国内からオープンな動きが見えづらくなっているということが一つの形に落とし込まれていると感じています。

 さらに、限られた情報の中からも、アフガニスタンから外部に出国してきた方々からは、家から自由に出ることができなくなった。

 女性の自由な教育環境というものが禁止された。

 極端に子供たちの自由教育の環境というものも遮断されている。

 女性の社会進出、例えば、かつてはいた。アフガン国内のメディアであれば、女性のアンカーの方がテレビの中でニュースを伝えていく、こうした女性の社会進出というものもほぼ遮断されてしまっている。

 外部の様々な仕事を絡めていったり、教育の支援というものを求めながらも、実際はかなり強いイスラムの考え方を国内の中で強めている。

 これが、1年間のタリバン政権の一つの見え方であると感じています。

(NATOが駐留していた頃のアフガンとは? そして、戦場の教育は? 渡部陽一さんが撮影した現地の写真など、……続きはフルバージョンで✅)

【その他の写真】
・写真8/1000:人道回廊で蜂の巣にされた車

写真12/1000:並ぶ戦車(ウクライナ)
・写真17/1000:溶けたロシア軍戦車
・写真19/1000:広大なひまわり畑
・写真23/1000:忘れられた孤島「スーダン」

👇毎配信をまとめて視聴は以下より👇 (今回の動画は9月に撮影しました)

 
「現場」でしか知れない、世界のホント

「戦場」の真実をどのくらいの人が理解しているか。戦場にある悲惨な現実。犠牲になるのは子どもたち。一方で、戦場にいる人々は「私たちと同じ」日常を持っている。これも「戦場の本当の姿」――。戦場カメラマン渡部陽一が撮ってきた写真の中から、1000枚をピックアップ。写真とともにその背景を知る。「戦場の真実」と「世界の本当」を学ぶ。

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