育成年代でも「自分」がまず基本にあるドイツ人の選手・指導者

欧州で活躍する日本人リーダーに「日本との違い」を訊く「w/欧州指導者組 対談Live配信」 #1のアーカイブ(動画)Part.1です。
その内容を上記の動画よりご覧いただけます。

 

山下 喬(やました・たかし)
1984年生まれ、大阪府出身。滝川第二高校卒業後、2003年ドイツへ渡り、5部チームでプレー(リーグ優勝)。翌年ドイツ1部のFSVマインツ05のセカンドチームなどを経て23歳で現役引退し、2010年より指導者活動をスタート。2014年にドイツにて岡崎慎司とともに「FCバサラ・マインツ」を設立し、11部から5シーズン連続リーグ昇格を果たす、欧州で活躍する新進気鋭の日本人リーダー。

👇Live配信内容👇
・岡崎選手と山下さんの出会い
・山下さんのアマチュア選手時代
・山下さんのマインツ05育成指導時代
・パーソナリティの育成について
・ドイツ人と日本人の感情表現の違い
・ドイツの新しいサッカー形式

👇視聴時間👇
 21分09秒

山下喬「日本とドイツの育成の問題点には似通った所があるんだろうなと思う」

ーーでは、よろしくお願いします。

岡崎山下喬(以下、山下):お願いします。

ーー今回新しく指導者の方に話を伺うということで、海外のサッカー、その現場で働かれている日本人の指導者の方は実はいっぱいいて、そこでご活躍されてる方々が感じてることとか、その哲学を伺ってみたいということで、今回with海外指導者組ということでスタートさせていただきまして、第1回は山下さんにお越しいただきました。大変お手数なんですが、簡単に自己紹介だけいただいてもよろしいでしょうか?

山下:はい。山下喬と申します。日本ではそれこそ岡崎慎司くんと一緒に、滝川第二高校でサッカーをしてました。高校卒業した後にすぐにドイツに来て、もうそこから19年ですね、今。

 もうずっとドイツにいまして、最初はサッカー選手としてプレーをしていたんですけど、そこから指導者の方に進みまして、今一緒に岡崎とドイツでサッカークラブの方を運営してるというような状況です。

ーーありがとうございます。岡崎さん、山下さんの印象っていうのはどういう印象がございましたか?

岡崎:いや高校のときは本当怖くて。

ーーあるあるですね。

岡崎:はい。1年生と3年生なんでやっぱり。そんなに話す機会があんまりなかったんですけど。特にそのときからちょっと個性的な感じはあったんで、サッカーの部分とかそういうところでの記憶っていうのがあんまりないんですけど、結構でも紅白戦とかで、僕も最後選手権とか入っててやってたりとか、そこでも結構声かけとかする印象は結構持ってました。

 自分を持ってるっていう感じの先輩っていう感じで。でもちゃんと話したことがなかったんで、そこからの出会いだったんで、ドイツでの。結構そこは印象が変わりましたね、そのときに。高校の印象は結構自分の中では怖いっていうところで、本当に先輩後輩という感じでした。そのときは。はい。

ーー2人が出会われるのが山下さんも海外でプレーと指導者をされる中で、岡崎さんがマインツに移籍されて、通訳としても二人三脚でやられてたということなんですよね?

山下:通訳というか、もう僕がそのときにマインツ05の育成カテゴリーで指導してたんで、多分マインツ側からしてもちょうど日本人いるぞ、みたいな多分形で、それがたまたま慎司だったっていう。

ーーそれすごいですよね。

山下:かなりの確率だと思いますけどね。

ーーそれは奇跡に近いですよ。

岡崎:初めて(ドイツで会ったのは)シュツットガルトのときのフランクフルトとの試合でしたよね?

山下:そうそう。

岡崎:そのときにホテルに来てくれて、その前にあれでしたっけ?やり取りしてて会うようになったんでしたよね?確か。

山下:うん。そんな大したあれじゃなかったけどね。でもなんか…そう。そのときに、僕も本当一緒で、慎司と喋ったことなかったんで、ほとんど。なので久々に会って、なんかすごい話せるようになってると思いましたね。

ーー昔はちょっと怖くてあんまり話せなかったっていうのもあったのかもしれないですね。

岡崎:いや多分そんな僕もうそこまで考え持ってなかったんで、多分高校のときとか。もう本当ただのサッカー馬鹿みたいな感じだったんで、ずっとサッカーしてるみたいな。なので普段の学校生活とかも、何も分からなくて先生とかにも結構怒られるけど可愛がられるみたいな感じなんで。

ーーなるほど。

岡崎:あんまり本当に多分そこまで考えて行動はしてなかったんですけど、サッカーに対して。けどそのときはちょうどシュツットガルトとかは、いろいろ学んでるときだったんで、ちょうど。いろいろ壁にぶつかったりとかしてて、そのときフランクフルトで会って、喬くんの話をいろいろ聞いたり。

 怖いっていう印象はすでにそのとき抜けてたっていうか、そのときにすごい経験談とか聞かせてもらったりとか、そのときどんな話したかっていうのは明確に全然覚えてないんですけど、そのときになんかまたマインツで会うとは思わなかったですけど、マインツに決まったときは、そういう運命なんかな?みたいなふうにはちょっと思いましたけどね。普通はそこでまたマインツで一緒にこうやってっていうのは、そういう運命みたいなの感じましたけどね。

ーー確かに。いや本当に運命的な2人ということで、その2人が一緒にドイツにクラブを作るっていうのもまたすごいことだとは思うんですけども。

 本題のところに移らせていただくと、最初に伺いたいんですけども、例えばクラブを作る、選手を育てる、それを育成としたときに、若い年代だけではなくて育成というところで考えたときに、育成について、日本の育成と海外で長くやられて、ドイツでやられて、その差というのは率直にあるかないかって言われると、差はあるかないか、どうお考えに山下さんはなられますか?

山下:これ僕もいつもこういう話になったときに言うんですけど、ドイツには長くいるんですけど、逆に日本の育成現場で行われていることだったりとか悩まれていることだったりっていうのをあまり目の当たりにしてないんで、だからドイツと日本の育成に何か差があるかっていうと、明確にあるとはちょっと僕は言えないんですけど、やっぱりでも悩みというか問題点ってちょっと似てるとこあるんだろうなっていうふうにも思ってまして。

 ドイツとかもサッカー協会とかがやっぱり今目指しているところが、そもそもゲームの形ですね、子どもたちの。例えば7対7とか8対8とか、そういう形からもっと年代の低い子たちは2対2とか3対3をもっと取り入れようっていう、フニーニョっていうような名前のゲーム形式を取り入れていこうと言ってるんですけど、それにはいろんな背景があって、子どもたちがそれぞれボールに関わる時間をもっと増やそうとかっていうのもあるんですけど。

 やっぱりそれ以前に指導者が子どもの年代から勝ちにこだわり過ぎてることで出る弊害とか、そういうものを減らして子どもたちがもっとサッカーを好きになるとか、サッカーからドロップアウトする子どもたちを減らそうとか、そういうような取り組みの一環でもあるんですよ。そういうのってわりと日本だけが抱えてるような悩みというか、要は勝ちたいと思ってる指導者が多いとかっていう話もたまに聞くんですけど、いやでもそれは実はドイツでも同じような悩み抱えてるんだよとか思いながら。

ーーなるほど。

山下:育成のところで差があるかっていうと、もちろんそれぞれ色があってやっぱりサッカー大国って言われてるだけあって、いろいろと差と言っていいか分かんないですけど、違いはあると思うんですけど、良いか悪いかっていうことで言うと、簡単には言えないなという感じです僕は。……すべての内容は、アーカイブよりご覧ください👀✅

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