この夏、劇場版「無限城編」が公開される『鬼滅の刃』。シンクロナスのコンテンツ「歴史の部屋」でお馴染みの乃至政彦さんが、歴史家ならではの視点で、作品世界の「歴史の謎」に挑みます。 最終回に登場した『善逸伝』は、本当に善逸が書いたのか?鬼殺隊はなぜ「非公認」のまま活動できたのか?無惨のあの「パワハラ会議」に、実は超合理的な戦略が隠されていたとしたら?物語最大の謎、無惨と産屋敷家の千年の因縁の起源とは? 最強の鬼・無惨が、なぜついに「千年王国」を築けなかったのか……。 第4回は、「鬼舞辻無惨の千年史」として、鬼舞辻無惨が名付けたという十二鬼月の名前から、彼らの真相に迫る。 作品を愛する著者が、歴史という補助線を引くことで導いた考察をお楽しみください。 【ネタバレ有り】 この記事には『鬼滅の刃』第23巻に掲載されている最終話のネタバレが書かれています。未読の方はご注意ください。 鬼舞辻無惨に歴史あり 鬼舞辻無惨(きぶつじむざん)がいくら1000年以上生きていたとしても、その思考法は、人間のそれと根本的に同じであろう。同じ...