歴史上最も有名な逸話の1つである、上杉謙信が敵である武田信玄に「塩を送る」という逸話。

いくつかの史料に記載があるが、上杉家が残した史料の中でこの逸話が記載されているのは一般に流布されていない「謙信公御年譜」(上杉家の正史)にのみである。

つまり上杉家が謙信を讃えて語り継いだわけではないということだが、ではいったいなぜ「敵に塩を送る」を歴史状屈指の逸話になったのか?

今回は2025年4月27日に「謙信公義の心の会」が主催した乃至政彦講演会「敵に塩を送るは史実か?」の内容を特別に音声としてお届けし、「敵に塩を送る」の史実性、史料から見えてきた戦国時代の複雑な外交関係、そしていま日本に必要な上杉謙信の心の神髄に迫ります。

乃至政彦
歴史家。著書に『戦国大変 決断を迫られた武将たち』『謙信越山』(SYNCHRONOUS BOOKS)、『上杉謙信の夢と野望』(KKベストセラーズ)、『平将門と天慶の乱』『戦国の陣形』(講談社現代新書)など。そして2025年2月には日本史の専門家でありながらフランスの英雄の実像に迫った『ジャンヌ・ダルクまたは聖女の行進』を刊行。また書籍監修や講演活動なども行なっている。1974年生まれ。高松市出身、相模原市在住。
謙信公義の心の会 会長さまよりコメントをいただきました。

この度、当会例会で「敵に塩を送るは史実か?」と題して歴史家の乃至政彦様より、ご講演いただきました。

上杉謙信公は義の武将として知られていますが、なかでもライバルの武田信玄公へ塩を送った逸話は有名です。しかしこの逸話には様々な風聞があり、果たして真実なのか?との疑念があります。この度、上杉謙信公の研究では随一との評価も高い歴史家・乃至政彦様より、史実に基づいた塩送りの真実の姿を浮き彫りにしていただきました。ここまで詳らかに塩伝説に迫ったのは初めてではないでしょうか。

あらためて義将・上杉謙信の真実の姿を垣間見て、その偉大さと高潔さを感じました。

乃至政彦先生の一級文献資料をもとにした解説は、400年前の義挙が甦るような感覚を覚えました。どうぞ、真実の「敵に塩を送る」エピソードをご堪能ください。

謙信公義の心の会会長
石田明義

謙信公義の心の会HP
http://kenshinginokokoro.com/
WEB版&電子書籍『ジャンヌ・ダルクまたは聖女の行進』を始め、多くの歴史コンテンツを楽しめる乃至政彦「歴史ノ部屋」の詳細はこちら

...