渡部陽一「1000枚の戦場」71~74/1000

「ポーランドとウクライナ・キーウを繋ぐ国際列車」2023年2月渡部陽一氏撮影
今回は2月24日で1年が経過したウクライナ戦争を隣国ポーランド視点からレポート。

「1000枚の戦場」
渡部陽一が解説する「戦場」の日常。近いようで遠い世界の本当の姿を1000枚の写真が映し出す。隔週土曜日に最新回配信。

 こんにちは。戦場カメラマンの渡部陽一です。

 ウクライナ戦争が1年を迎えた節目で現地取材に入りました。

 ちょうど、私がポーランドに入った時、偶然なんですが、2月19日にアメリカのバイデン大統領がポーランドの南東部(ウクライナの西側)「ブシェミシュ(プシェミシル)」から約10時間かけて鉄道でウクライナの首都・キーウに移動。

 

 私も現地で、バイデン大統領がキーウ訪問をするという情報をつかんだので、国境でバイデン大統領の姿を張り込みましたが、残念ながら、タッチの差で間に合わず、姿を捉える事は出来ませんでした。

 ただ、収穫はありました。

 僕にとってウクライナ10回以上取材しているんですが、ウクライナ戦争を見ていて強く感じたのは隣の国のポーランドの存在なんです。

 ウクライナとポーランドは歴史的にも、生活慣習もかなり重なっていて、ウクライナは外国、ポーランドは外国という感覚ではなく、同胞の意識がかなり強くあります。

 それゆえに支援という輪が非常に強く、ウクライナとポーランドの国境の駅「ブシェミシュ(プシェミシル)」にはウクライナからの難民の支援物資が沢山集まっています。

 バイデン大統領が特別列車でキーウに向かったのも、この「ブシェミシュ(プシェミシル)」。

 ちなみに、岸田総理も3月21日にプシェミシルから電車でキーウに入っています。

 この駅がウクライナ戦争の最大のライフラインの、まさに中央駅といえます。

 ゼレンスキー大統領の「電撃キーウ訪問」を振り返りますと、まず、エントリーしてきたのがポーランド南部にあるジェシュア(ジェシュフ)。

 NATO北大西洋条約機構の基地なんです。

 だからこそ、NATOとしてバイデン大統領がそこまでは飛行機で入ることができた。

 そこから国境のブシェミシュ(プシェミシル)まではもちろん、ポーランド軍の軍による陸路の移動で入っていき、ブシェミシュ(プシェミシル)から特別列車で入っていったのです。

 キーウ中央駅の様子はこちらの動画から 

本動画のPOINT

① 国境を接しているウクライナとポーランドは同胞という意識が強い。
② ウクライナ国境の前線の駅。ポーランドの「ブシェミシュ(プシェミシル)」には避難者の支援場所がある。
③ ウクライナ避難民を食糧支援している最大の団体はユダヤ教会。
④ ウクライナ国境に近いブシェミシュ(プシェミシル)・グロウニーという駅が各国首脳の移動の拠点

【その他の写真】
・写真8/1000:人道回廊で蜂の巣にされた車

写真12/1000:並ぶ戦車(ウクライナ)
・写真17/1000:溶けたロシア軍戦車
・写真19/1000:広大なひまわり畑
・写真23/1000:忘れられた孤島「スーダン」
・写真27/1000:タリバーンが力を再興させた「アフガニスタン」の今
写真31/1000:新疆ウイグル自治区で暮らす人々
写真35/1000:「トランプ・共和党」熱狂の背景を映した1枚
写真39/1000:金日成・正日が示す威光
・写真46/1000:ウクライナの悲しみを表した赤と黒の旗を羽織る少年
・写真51/1000:頭にボールを乗せるイラクの少年
・写真55/1000:イラクの群衆
・写真61/1000:街中を監視するアフガニスタンの男性セキュリティ
・写真64/1000:
燃やされたウクライナ北西部のアパート
・写真70/1000:シリア国旗のミサンガをつけた避難民

👇毎配信をまとめて視聴は以下より👇 (今回の動画は2023年3月に撮影しました)

 
「現場」でしか知れない、世界のホント

「戦場」の真実をどのくらいの人が理解しているか。戦場にある悲惨な現実。犠牲になるのは子どもたち。一方で、戦場にいる人々は「私たちと同じ」日常を持っている。これも「戦場の本当の姿」――。戦場カメラマン渡部陽一が撮ってきた写真の中から、1000枚をピックアップ。写真とともにその背景を知る。「戦場の真実」と「世界の本当」を学ぶ。

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