text by 「データの裏側」編集部

 いいことも、わるいこともあった2023年。

 それらはデータで強調され、報じられてきた。

 48.0%。誰もが記憶した瞬間、侍ジャパンが優勝を果たしたワールドベースボールクラシック(WBC)、準々決勝のイタリア戦の「平均世帯視聴率」。

 44本。世界一の立役者・大谷翔平はメジャーリーグの日本人初のホームラン王に輝いた。

 8000人以上。パレスチナで続くイスラエル軍とイスラム組織ハマスとの軍事衝突で、イスラエル軍の攻撃によるパレスチナ人の死者数は2万人を超え、そのなかの8000人以上が子どもである、と報じられている。

 ウクライナとロシアの戦争は3年目に突入しようとしており、シリアやサウジアラビアなどでも「戦争」によって多くの「死者数」が報じられている。

 1.76度。「異常気象」と言われた今年の夏、日本の平均気温は気象庁が統計を取り始めて以降、最も高い上昇を示した。

 1.26。“異次元の対策”が発表されたのは「少子化」問題だ。合計特殊出生率は過去最低となり、出生数も80万人を割った。

 いずれのデータもセンセーショナルに扱われたし、そのインパクトに嘘はない。けれど、注意も必要だ。

 配信してきた動画コンテンツ『データの裏側』の中で、ジャーナリストの長野智子さんは繰り返し語った。

データは嘘をつかないけど、データを使う人が嘘をつく。

 先の例でも個別に見れば印象と現実が違うと想像できることがたくさんある。

 例えば、WBCのイタリア戦は、日本にいる半分近くの人が視聴をしていたのか、と言われれば違うだろう。また、確かに今年は暑く、異常気象と言われたが、その実感は「毎年」ある。過去最低となった合計特殊出生率を都道府県別でみると東京都が最下位(1.04)だ。では、果たして東京の少子化がもっとも深刻なのか? 実はそうも言いきれない「データ」の性質がある。

 データは「いいこと」を繰り返すときに役立つ。また「わるいこと」を改善するためのヒントを教えてくれる。

 間違ってはいけないのは、決して「データ」は「正解」ではなく、また何かを解決するものでもない、ということだ。

 これは「データの裏側」に登場いただいた、すべての専門家が口を揃えたことでもある。

 2024年に向けて、データを役立て、ヒントにするためにどうすればいいか? 編集部では特に、未来を担う若い世代にとって大きな壁となる事案についてのデータに注目していきたい。

 12月27日には『データから見る2023年「若者問題に明るい解決策はあるのか?」』と題したLive配信を行う(アーカイブ配信あり)。

 データサイエンティストの松本健太郎さん、一般社団法人NO YOUTH NO JAPAN代表理事の能條桃子さんを迎えて、「少子化・未婚化」「子どもの自殺数増加」そして「若者の政治参加」についてデータを交えながら議論していく。

 2023年に配信したコンテンツとともに、ぜひ注目してほしい。

12月27日に「若者問題に明るい解決策はあるのか?」を配信予定