――遠藤航・ここだけの話――
1・【監督交代】日本代表とも似たシュツットガルトの課題への解法
2・【残留争いへの希望】ヘーネス監督の新しい取り組み
3・【日本代表】新しいオプションを作る

1・【監督交代】日本代表とも似たシュツットガルトの課題への解法

 4月、シュツットガルトにとって今シーズン三回目の監督交代がありました。

 9節まで約3シーズンを一緒に戦ったマタラッツォからビマー監督(暫定監督)へと変わり6試合、ワールドカップ明けからはラッバディア監督と11試合。4月3日にヘーネス監督が就任しました。

 僕たちは、残留争いのなかにいます。

 カタールワールドカップを挟んだこともあって、チームとしての試行錯誤する時間はあったはずなのですが、なかなか結果が出ず、すべての監督からキャプテンを任せてもらっていたので責任を感じています。

 今回はまずこのシーズンについて少し書いてみたいと思います。

 三回目の監督交代(ラッバディアからヘーネス)の大きな要因、手痛かったのは、代表ウィークに入る前のヴォルフスブルグ戦。0対1で負けた試合です。

 ラッバディアは基本的に4バックをベースに前線からのプレッシングと、ブロックを作って守りカウンターを狙っていく形を使い分ける監督でした。

 対するヴォルフスブルグはまず守備をしっかりと固め、コンパクトな陣形からカウンターを狙っていました。

 その結果、僕たちはボールを持つことができましたが、なかなか相手の守備を崩すような攻撃を作ることができません。

 ボールは持てるのになかなかチャンスが作れない。そんな中で、一本の縦パスからカウンターでやられてしまいます。決めたのは昨シーズンシュツットガルトにいた(レンタル)マーモウシュでした。

 一つの武器である前線でプレスからのショートカウンターができない――つまりボールを「持ててしまった」とき、どうやって攻撃の形を作っていくか。

 例えば、この試合の僕はインサイドハーフで先発していましたが、アンカーのカラゾルのところでもう少ししっかりボールを受けることで、相手を動かし、相手陣地まで運んでいく形が作れるのでは――と思っていました(一方でカラゾルは守備で奮闘していたのですが)。...