写真:gettyimages

ゴールよりも「意気消沈した」失点

 アディショナルタイムの失点でドロー。

 ホッフェンハイムのエース、クラマリッチ(クロアチア代表)にこの日2得点目を決められ、遠藤航のゴラッソは決勝点とならず。シーズン再開を2試合連続の引き分けで終えた。

「勝ちたかったですね」

 そう漏らした遠藤は、自身のゴールよりアディショナルタイムでの失点を悔やんだ。

 カタールワールドカップを経たウィンターブレイクが明け、ブンデスリーガが再開したのが先週末。

 2023年の初戦となったマインツ戦では先制のアシストを決め、デュエル勝利数は18を記録。日本代表で見慣れたボランチではなく、より攻撃的なインサイドハーフでの起用で、攻守に結果を出した。

 

 遠藤自身「コンディションはすごくいい」と話す。

 事実、この日も同点ゴールに加え20のデュエル勝利を記録し、再開以降の2試合だけではあるが平均勝利数は19。2シーズン連続で「デュエルキング」(デュエル勝利数ブンデスリーガ1位)となった昨シーズンの1試合平均13.5、一昨シーズンの14を大きく上回る。

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 インサイドハーフでの起用や脳震とうによる欠場などもあってベスト3から漏れていた、「デュエル勝利数」は217でリーグ2位にまで上昇した。

「インサイドハーフでもボールを奪える感覚がわかってきたことが大きいですね。ただそこは(3年連続1位に関しては)、ベリンガム“さん”がものすごいので」

 イングランド代表の将来を担うベリンガムはドルトムントでプレーする19歳。昨シーズンはデュエル勝利数3位でシーズンを終え、今シーズンもハイパフォーマンスを披露しておりデュエル勝利数は267を記録している。

 かねてより「ブンデスでもっともいい選手のひとりで、注目してほしい」と話していた若きライバルを「さん付け」で呼び、尊敬の念を込めつつ謙遜した。

 それでも遠藤の好調ぶりは3年連続の「デュエル勝利数1位」も不可能ではないことを思わせる。

 だからこそ、キャプテンとしてチームの結果を憂う。

 ウィンターブレイク中にやってきた新監督・ラバディアはチームに規律と一体感を求める指導者だ。

「練習も三部練があったり、二部練は当たり前。食事をチームですることを求めたりと、今の若いチームには必要な部分を植え付けてくれていると思います」

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 ビルドアップについても「複数のオプションをうまく使えている」と話すが、マインツ戦は先制ゴールから3分後にPKを献上、先のホッフェンハイム戦はアディショナルタイムで同点に追いつかれた。遠藤の逆転ゴールの後には、ボランチを組むアーマダ―が喜びのあまりスタンドに飛び込み、2枚目の警告で退場に追い込まれている。

「10人になったのは痛かったですし、最後の失点もね、二人がついていたのであのシュートコースは切っておきたかった。意気消沈しましたね、あの失点は。……失点をするイメージはなかったんでね……本当にもったいない」

 10人になった後、遠藤は指揮官・ラバディアに手を広げ「5?」(5バックにしますか?)と尋ねている。

「4!と返されましたね(笑)。ホッフェンハイムは対角にゴール前に入れてくるシンプルな形だったので、守り切るところで言えば後ろを5枚にしても良かったかな、とも思います。そこが、サッカーの難しいところで、最適解を探し続けるしかないですね」

 ドロー結果に心を落としながらも、次戦を見据えた。

「切り替えて、次です。勝利につながる結果を出したい」

 ケガ人も多い中、次節はこの1週間で3試合目となるアウェイ・ライプツィヒ戦。現在リーグ2位につけ、前半戦は1対1で引き分けている。

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 試合は、1月28日4時30分スタート。ラバディア新体制で、残留争いから抜け出すきっかけにしたい。

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