結婚生活の中で積もり積もった不満や違和感。もう離婚しかないと思うほどの不仲やトラブル。

さまざまな夫婦の在り方があるからこそ、ふたりの間だけで解決できない悩みや問題を抱える人も少なくないでしょう。

夫婦カウンセラーとしてこれまで4000組以上の夫婦をサポートし、著書『夫は、妻は、わかってない。夫婦リカバリーの作法』でも注目を集める安東秀海先生が、読者の皆様から寄せられた夫婦関係のお悩みにお答えします。

今回は、子どもの中学受験をめぐって夫婦喧嘩が増え、夫との教育方針の違いに悩む40代・トモヨさんからのご相談です。

トモヨさん(仮名)からのご相談

40代の結婚15年女性です。子供が2人いまして、長男は小学5年生です。中学受験をめぐって、夫と喧嘩が増えています。

私は自分自身が中学受験をした育ったこともあって、我が子にも中学受験をして安定した教育環境で育ってほしいと思っているのですが、夫は自身に中学受験の経験がないせいか、その必要はないといって反対しています。

子供の教育方針の違いから喧嘩が増えて、家の中がギスギスしています。

長男は現在、中学受験用の塾に通っていますが、中学受験したいかしたくないか、子ども自身の気持ちはあいまいです。自分のことを振り返っても、そういう気持ちだったように思います。この時期の子どもに対しては、ある程度、親がレールを敷いてあげる必要があると思っているのですが、夫は聞く耳を貸してくれません。

子供への教育方針、価値観が違うことに少々疲れています。下の子供のときもこうなるのかと思うと、気が滅入ってきます。どうしたらいいでしょうか?

(妻・トモヨ、夫・ヨシオ)

※頂いたご相談に編集を加えております。ご了承ください。

同じ願いを持ちながら、なぜすれ違うのか
夫婦が“チーム”として向き合うためのヒント

小学5年生、長男の中学受験をめぐり、夫であるヨシオさんとの間で衝突が絶えないというトモヨさん。

「良かれと思って提案しているのに、全否定される」「子どもの将来を真剣に考えているのは私だけ?」……そんな孤独感を抱えながら、夜な夜な塾のプリントを整理するトモヨさんの姿が目に浮かびますが、実は中学受験に関するご相談は夫婦カウンセリングの現場でも増えています。

「夫婦リカバリー相談室」今回は、なぜ中学受験がこれほどまでに夫婦を追い詰めるのか?また、どうすれば「チーム」としてこの山を越えていけるのか?について考えてみたいと思います。

それは本当に教育方針の違いなのか?

地域によっては、クラスの大多数が中学受験を選ぶようなエリアもあります。わが子に最善の環境を整えたいと願うのは親心ですし、自身の経験があれば中学受験が避けて通れない選択に思えるのも自然なことです。

一方で、未経験のヨシオさんから見れば、中学受験は数ある選択肢の一つに過ぎず、今の生活の平穏を削ってまで選ぶ必要性を感じないのかもしれません。

話し合っても平行線の二人に、価値観が違うと諦めたくなる気持ちもわかります。しかし、ここで一度立ち止まってみてください。食い違っているのは本当に教育方針(価値観)でしょうか? 実は進路(手段)というルート選びの段階で揉めているだけではないでしょうか。

・教育方針(価値観) ☞自立してほしい、探求心を持ってほしいといった、どんな人間になってほしいかという目的地

・進路(戦略) ☞いつ、どのルートを通るかという目的地へ辿り着くための手段

おそらく、お二人の目的地である「子どもに幸せになってほしい」という願いは一致しているはずです。...