
メジャーと日本野球の違いをブルージェイズアナリスト・加藤豪将(日本人として初めてMLBドラフト100番目以内に指名され、北海道日本ハムファイターズでもプレーした)が解説する「#Gobaseball」。
本シリーズではメジャーで使われるキーワードを編集部が厳選し、加藤さんの取材をベースに解説する。今回は「チーム戦略」として使われるキーワード。
KEYWORD:【TTO BONUS】(ティー・ティー・オー・ボーナス)
「3巡目でどうやって打つか。うちは3巡目に絶対打つことを考えて、1巡目、2巡目の打席を見ている」
なぜ3巡目なのか。
2025年ア・リーグ覇者で球団別打率でトップだったブルージェイズの打線の戦略とは?
ポイントは「3巡目」にどうやって打つか
加藤 メジャーでは、1巡目、2巡目じゃなくて、3巡目に結果を出すように臨むのが、最近のトレンドです。
ですから1巡目(あるいは2巡目)は、――AIじゃないですけど――できるだけ情報を取り入れて、2巡目、巡目で打てるといいなっていう考えなので。
1巡目はもう全員が情報を取り入れているという感じですね。
――それを「TTO BONUS」というんですね。具体的に教えてください。
加藤 「TTO」というのは「Time through the order(タイムスルー・ザ・オーダー」。
「One time through the order」は1巡目、「Two time through the order」は2巡目です。
「BONUS」というのは1巡目と2巡目、2巡目と3巡目の打率とOPS(※1)がどんどん高くなってくること。
逆にピッチャー側から見ると「Penalty」で、「TTO Penalty」って言われています。
2巡目、3巡目になると、Penaltyがすごい高くなっていくピッチャーと、全く変わらないエースがいる。
それをバッター視点に戻ると「BONUS(ボーナス)」といって、1巡目と2巡目を比べると、2巡目のほうの「BONUS」がすごい高くなるバッターがいます。
それは選手ごとに違うんですけど、リーグを全体的に見ると、1巡目と3巡目のOPSの違いは0.7ぐらい。.720のOPSが.790~.800ぐらいになるので、大きいですね。
うちは結構それを見て、3巡目に絶対打つことを考えながら、1巡目、2巡目は打席に入っています。
――日本でプレーしていた頃、そういうことを考えられていましたか?
加藤 (日米に限らず)僕が現役の頃はそういうことを全く考えていませんでした。当たり前なんですけど、「1巡目から自分は打てるんだ」っていう自信がなかったらプロ野球選手ではないと思うので。
でもアナリストの立場になったので、「3巡目にどうやって打つか」を大事にして、試合中は試合を見たりデータを見たり作戦を見たりしています。
――この試合(6月のカージナルス戦)、ブルージェイズは右打者を並べましたが、その点で打順に関してはどう考えたのでしょうか?...
