不調だった大谷翔平が「二刀流」で驚異的な活躍を見せ、ロサンゼルス・ドジャースがナ・リーグ優勝を決めた。一方のア・リーグはシアトル・マリナーズとトロント・ブルージェイズが3勝2敗で競り合っている。

 果たして王手をかけたマリナーズが初のワールドシリーズを決めるのか、それともトロント・ブルージェイズが12年ぶりのワールドシリーズへ逆転進出か――。第6戦はブルージェイズのホームで行われる。

 今年からブルージェイズの分析官となった元日本ハムファイターズの加藤豪将が配信する「#Gobaseball」は、その緊張感走るポストシーズン中の思い、仕事を聞く。

写真:アフロ

ブルージェイズはゲレーロJr.だけじゃない

――日本、アメリカともポストシーズンが戦われています。両方見ていると、雰囲気がだいぶ違うのを感じます。加藤さんは今、何を感じていますか。

加藤 メジャーには30球団あって、どのチームも強い。そのナンバー1となるワールドシリーズの優勝は(数字上で言えば)30年に一度。めったにないことです。

 ブルージェイズは1993年からワールドシリーズに出ていないので、スタッフになった1年目でこんな機会に恵まれたというのは、本当に幸せなことだなと思っています。

――(ホームゲームは)ドーム球場(ロージャーズ・センター)のため反響がすごいのか、拍手の音が大きく聞こえます。マリナーズとの第1戦では、いつもならコントロールがいいガウスマン投手が、いきなりノースリーになるなど、緊張感も伝わってきました。

加藤 そうですね。カナダのブルージェイズなので、トロントだけではなく、国を背負っている意識があります。カナダ人が全員、ブルージェイズを応援しているというような感じがすごく伝わってきます。

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――ブルージェイズにとっては、ゲレーロ・ジュニアが今シーズンの契約を更新したところから、このストーリーは始まっているんだというような気がします。マリナーズとの第1、2戦は当たっていませんでしたが、この状況で分析官として加藤さんができることはどんなことでしょうか?

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