2050年の未来を予測する討論型コンテンツ。第1回は「選挙」をテーマに4人の登壇者に議論をしていただきました。
本コンテンツでは、討論後に各登壇者の方から、議論を踏まえたうえで、新たに得た気づきや、語りつくせなかったことについてご寄稿いただきます。
今回は選挙プランナーの松田馨さんに語っていただきました。
有権者が自民党に「お灸を据えた」という形にはなっていない
畠山理仁さんの体感不安と熱狂といった話はすごく説得力がありましたし、たかまつななさんがおっしゃっていた、日本でも主権者教育が重要だという話は、私も全く同意見です。
今回の参議院選挙を振り返ると、昨年の衆議院選挙で与党が過半数を割った時点で、石破総理が辞めなかったことが、自民党が苦戦した大きな要因だと思っています。
有権者からよく耳にしたのが「今回はお灸を据える」という声です。自民党からすると、つい半年前の衆議院選でキツいお灸を据えられたという感じがあると思いますが、石破政権が続いている以上、国民にはお灸を据えた感がありません。
国会運営に長けた森山幹事長や自民党国体の調整力で、少数与党の中でも政策ごとに野党と連携することでなんとか凌いできましたが、注目の集まった103万円の壁やガソリン暫定税率の廃止については、有権者からすると「石破政権で何も進まなかった」というネガティブな印象が残ってしまったのだと思います。
自民党に必要なのは「メディアシフト」への理解と意識改革
自民党側が「メディアシフト」が起こっていることを理解し、意識を変える必要があります。新聞やテレビの接触時間よりも、ネットの接触時間、スマホ、パソコン、タブレットの接触時間が圧倒的に増えてきていて、その差がますます広がっています。
その過程で、世代別での投票先に大きな差が生まれました。ネットを参考にする人たちは自民党に対して非常にネガティブになっています。これまで以上にネットの対策が重要になってきたという点を意識したほうがいいでしょう。
参院選にむけて、自民党もTikTokのアカウントを開設したり、投稿する動画の本数も増やしたりしました。ネット広告の運用なども最適化されてきていて、衆院選に比べて対策が強化されていたと思います。しかし、根本的な意識が非常に古いままで、組織の論理がどうしても優先され、それが今の時代に有権者にどう見られているかということに関しての意識が低い印象です。...