鶴田とアンドレの邂逅。全日本のマットで再会するのはずっと先の話

いまだに根強いジャンボ鶴田最強説を検証する連載「新版・永遠の最強王者 ジャンボ鶴田」。今回は北米主要テリトリー転戦を追う。プロレスの檜舞台「MSG」で名だたるレスラーたちと対決する。

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・世界の檜舞台MSGに登場した4人目の日本人に
・NWAの総本山では大巨人アンドレと激突!

世界の檜舞台MSGに登場した4人目の日本人に

 ザ・デストロイヤーという実力者が日本陣営としてレギュラー参戦していたものの、ジャイアント馬場に次ぐナンバー2のポジションを着実にものにしつつあったジャンボ鶴田は、1974年2~3月シリーズ終了後の3月22日から4月9日までアメリカ&カナダのNWA主要テリトリーに遠征する。

 今度は修行ではなく、遠征という形だ。

 第1戦は23日のオレゴン州ポートランド。ドン・オーエンが仕切るNWA太平洋岸北西部の黄金マーケット『ノースウェスト・パシフィック・レスリング』の本拠地である。

 同地区はフリーとして全日本にレギュラー参戦していたマティ鈴木の主戦場であり、2~3月シリーズに来日したダッチ・サベージは同地区の重鎮。

 プロモーターのドン・オーエンは鈴木、サベージから鶴田の評判を聞いていたに違いない。

 対戦相手は対戦経験があるサベージが務めた。日本で2度対戦していずれも勝っている鶴田は、鈴木をセコンドに付けて回転エビ固めで幸先のいい勝利を挙げた。

 ただし、これは日本向けの報道で、実際にはサベージが勝ったという説もあり、真相は定かではない。

 翌24日はポートランドから北上して『NWAオールスター・レスリング』の拠点カナダ・ブリティッシュコロンビア州バンクーバーへ。2~3月シリーズに特別参加した元NWA世界王者のジン・キニスキーがプロモーターだ。

 ここでは売り出し中の新鋭アル・マドリルとのコンビでマスクマンのミスターX(ガイ・ミッチェル=ザ・ストンパーの名前で72年1月、日プロにトップ外国人として初来日)&バック・ラムステッドと対戦。

 1本目はラムステッドをジャーマン・スープレックスでフォールしたが、2本目はラムステッドにネックブリーカー・ドロップで返され、決勝の3本目はマドリルがミスターXをフォールして2-1で勝利。マドリル売り出しに一役買った。

 25日はバンクーバーのBCTVスタジオでの収録でTVマッチ要員のフランク・ジム・ブッチャーにダブルアーム・スープレックスを炸裂させて6分で一蹴。...