北中米ワールドカップがいよいよ始まる。「歴代最強」と呼ばれたサッカー日本代表はどこまで勝ち進めるのか? 

 日本代表史上初のベスト8超えに必要なことは何か――4年間、多くの識者とともにディスカッションをし、そのポイントを指摘してきた。果たして現日本代表はそのポイントをクリアできたのか? 

 岡崎慎司さん、興国高校から多くのJリーガーを輩出した指導者・内野智章さん、欧州でUEFA Aライセンスを取得した木村暁さんとの議論を振り返る。

ポイント3「FW力」←ストライカー育つ環境が日本にあるのか?

■元の議論>>>【岡崎慎司×指導者×分析官が徹底議論】どうすれば世界基準のFWは生まれるのか?育成?それとも才能?
W杯まで残り1年。歴代最強とも言われる現日本代表には欧州トップレベルで活躍する選手が多い。しかし9番のポジションで欧州五大リーグで主力として...続きを読む

「監督力」は試合を左右するのか?

ーー日本サッカーの課題の1つに世界基準のFWの不在があげられると思います今回はストライカーはどうしたら育つのか、ということをちょっとお話し伺いたいと思います。

岡崎慎司(以下、岡崎):本当にシンプルなんですけども、点が取れるっていうところ。自分が監督になって思うのは、アマチュアのチームなんですけど、真ん中にいて欲しいのに、いろんなところに動いてしまう。気持ちの部分で「本当に点取りたいのか?」って思うような動きをしてしまう選手が多い印象です。

 そのことを自分が教えてどこまで伸ばせるのかっていうのが、直面している課題です。

 監督になって改めて「FW」に悩んでいるので、今回は良いFWについて議論できればなと思います。

ーー内野さんはご指導の現場から見られて、いま日本に求められてるFWはどんな選手だと思いますか?

内野智章(以下、内野):岡崎さんみたいな選手じゃないですか。

 一番はやっぱり、とにかく点を取るっていう。

 昨日、所属チームで試合があって、シュート15本打って0点だったんですよ

 完全に崩せてるんですけど、点が取れないという。

 すごい点取り屋が一人入ってるんですけど、その選手がことごとく外したんですよね。

 だからFWって、普段確実に決められる技術もあって、ちゃんと結果を出している選手でも、ゲームの流れに乗れなかったらシュートって入らないんだなっていうのをタイムリーに昨日経験したんで。

 だから単純にやっぱりゴールって技術とか能力だけでもなくて、岡崎さんみたいに本当に点を取るっていうところに、身体のどこかに当てて取るみたいな、そういうメンタリティーがある選手たちに、僕ら育成の指導者がどういうきっかけと環境を与えてあげるかなのかなとか思うんですよね。

欧州で求められる「試合で使える技術」とは?

ーー木村さんは海外でいろんな年代もご覧になられて、今のお話を聞いてどう感じられましたか?

 欧州で重要視されているスキルの一つとして、「実際に試合で使える技術」っていうのがあります。

 練習でパフォーマンスを見せられる技術は当然あると思うんですけど、試合になるとそれが発揮できなくなってしまう。

 それはメンタルなのか、環境から来るものなのか、プレッシャーなのか色々あると思うんですけど、そういった実際に試合で使える技術がない選手は、やっぱりカテゴリーが上がるにつれてちょっと結果が出せなくなって苦しんでいくなというような評価になってますね。

ーー例えば木村さんがもともと所属されていたクラブがあるウェールズからは、良い選手はどんどん出てきますよね。例えばその筆頭のガレス・ベイルはどんな評価の選手なんですか?

木村:向こうの評価でいうと、サイドのプレーヤーだったので、足が速いとか、簡単にスピードで1人や2人を剥がせる選手というような評価でした。レアル・マドリードにいって、前のポジションで、スペシャルな左足をはじめ、新たな評価された選手ですね。

日本はストライカーに必要な運動神経が育たない?

ーー岡崎さんのように欧州1部リーグで2年連続2桁得点のストライカーはなかなか現れませんが、内野さんは指導現場に立たれていて、ネクスト岡崎慎司が生まれる環境が日本に整っていると思いますか?

内野:世界に行ける選手はいると思うんですけど、サッカーが丁寧すぎるのが、日本サッカーの課題だと考えています。

 スペイン式の練習では、パスやビルドアップの練習は増えているけど、日常的にシュートをする機会が少ないのかなと思っています。

 スペイン人と話していると、ストライカーはタレントだから、生まれてくるものって他力本願なこと言うんですよ。

 そのスペインに少しずつ近づこうとした日本サッカーは、FWという存在よりも、正しくサッカーをする傾向にあると思います。

 また岡崎さんは想像を超えるようなゴールを決める選手だと思います。

 顔面の近くに相手の足があってもダイビングヘッドするみたいな。

 でもいまの学校の体育の授業では、ダイビングヘッドの動きにつながるような体操の授業がなくなりつつあります。柔道も怪我をしないように細心の注意が払われる環境で授業を行っています。

 結果として、ダイビングヘッドやジャンピングボレー、オーバーヘッドができる運動神経を持つ子どもの数が減っているのではと感じています。

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(本稿は【岡崎慎司×指導者×分析官が徹底議論】どうすれば世界基準のFWは生まれるのか?育成?それとも才能?を一部を抜粋し再構成した)

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