いよいよワールドカップが始まる。

 カタールW杯が開催された2022年から配信している「Dialogue w/」では、岡崎慎司と、選手、指導者、識者との対談を通して、日本サッカー発展のヒント、ワールドカップ優勝の可能性について議論を重ねてきた。

 そして北中米W杯が開催される中の2026年6月27日、岡崎慎司さん、長谷川健太さん、高原直泰さん、サッカー指導者の林舞輝さんが「W杯と世界基準の監督力と選手力、データ力を語り尽くす」リアルトークイベント「Dialogue w/ Forum 2026」が東京で開催される。

 そこで本日から「Dialogue w」4年間の対談の中からイベントのテーマに沿った過去の議論を特別掲載。

 今回は「選手力」について、酒井高徳さんとの対談「W杯優勝への3つの議論」の中から、「選手視点のCL出場経験の価値」についてお届けする。

 レスターでCLに出場した岡崎さん、シュツットガルトでELに出場した酒井さんが語る、欧州最高峰の戦いで得られる「経験」とは?

(本稿は2025年3月公開岡崎慎司×酒井高徳「W杯優勝への“3つの議論”」を一部を抜粋し再構成した)

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CL出場経験とW杯の成績

ーーW杯優勝への3つの議論「経験」というところで、チャンピオンズリーグ(CL)というところを経験のベースとして考えてみました。編集部調べの資料になりますが、ご覧いただけますでしょうか。

※2025年3月21日Live配信当時までのデータ

 カタールワールドカップで、どのくらいCLに出場した選手たちがいるか。それをベスト8の選手たちで見てみました。一応注意点としては、現在の出場時間(2025年3月21日)で見ていますので、ワールドカップ以降に出てる人も加算されています。

 ただ、ベスト8以上のチームを見るとですね、ダークホースと言われたモロッコもCL出場時間が1万1064分もある。

 当然これはハキミ選手が一人で引っ張ってるというところもありますが、やはり経験というと、W杯ベスト8にいくとこのくらい常に戦ってなきゃいけないんだなと。

 このデータをご覧いただいて岡崎さん、いかがですか?

岡崎慎司(以下、岡崎): やっぱりCLとかヨーロッパリーグ(EL)を含めるともっと多いのかもしれないですけど、ベスト8に入っていくのに“最低条件”みたいになるのかなっていうのは思います。

 そこでしのぎを削ってるかどうかっていうのが重要なのかなと。

 CLに出ることで世界のトップを体験できると思いますし、もっとCLに出場する日本人選手が増えてくることがW杯優勝の絶対条件に感じます。

ーー酒井選手はもともとW杯優勝には「経験」が必要というところをずっとおっしゃっられていました。CLに出ていると何が違うというふうに思われますか?

酒井高徳(以下、酒井): 僕自身はCLに出ていないんで、何が違うとまでは断言できないのですが、海外でプレーした経験を踏まえて、日本を見た時に、違いはあるな、と思いました。

 CLで試合することによって自分がどれくらい経験値が貯められて成長できるか。

 自分が経験してないチャンピオンズリーグだったり、ワールドカップのベスト8以上の戦いっていうのは、レベルは違えど思ったことと同じことだと思うんです。

 必然的に、チャンピオンズリーグっていう場……さっきも岡崎さん言いましたけど、あの場でしのぎを削ってプレーするようなところに身を置かないと、経験できないものもあると思います。

 自分の精一杯をやるだけでは、届かないサッカーがその経験にはある。

 単にそれを毎日のように経験できるかっていうところ。基本的にトップクラブでプレーしてるような選手たちが集まってるチームとの戦いをくぐり抜けてくるっていうのが大前提だと思うんで、そういう意味ではこのデータは必然なのかなっていうふうには思いますね。

 CLに当たり前のようにスタメンで出て、当たり前のようにトップクラブと対等にやりあうっていうこと。

 その積み重ねによって、スピードだったり、判断力だったり、技術力に磨きがかかってくるのかなって思います。

CL出場経験のある北中米ワールドカップ日本代表
・冨安健洋
・板倉滉
・伊藤洋輝
・鈴木淳之介
・長友佑都
・堂安律
・鎌田大地
・遠藤航
・伊東純也
・前田大然
・久保建英
・上田綺世

CL出場で得られる「経験」とは?

インタビュアー: 岡崎さんはレスターの時にCLに出られました。このCL出場経験が自分を変えたっていう感覚はありますか?

岡崎: 具体的な「俺変わったな」というのは正直わからないんですけど。ただ同じリーグでしか戦わない人間じゃないプレーヤーたちと戦って、「このぐらいの相手には俺これぐらいできる」とか、単純に自分の力量とか、結局計算が立つかどうかじゃないですか。

 ワールドカップに26人連れて行くってなった時に、「ああ、こいつとマッチアップしたらこれぐらいできるな」っていうのがわかるっていうのはすごいいいことだと思うし。

 僕らもやっぱアトレティコ・マドリードであったりセビージャと対戦して、ラ・リーガのチームに対して、自分も結構戦えたという感覚を味わえたました。

 それが今だったら2、3人ぐらいはチャンピオンズリーグに出て先発でも出てる選手が出てきてて。

 監督にとってもCL出場経験があるというのは、選手選考をする際に、世界と戦えるかどうかのわかりやすい指標になると思いますけどね。

インタビュアー: 本当にブンデスリーガはレベルの高い選手がたくさんいて、その中でレギュラー取るのってめちゃくちゃ大変だったんじゃないですか。その上に、さらにCLもELもってなると、やっぱ持ってる環境によって「経験」が上積みされると考えていいでしょうか?

酒井: 間違いなくそうだと思います。

 今の日本代表で戦ってる選手たちっていうのが、そういうチームに行けるレベルの選手たちが揃ってきてるっていうのが一番大きい。

 体感して得られるものっていうのはすごく大きいと思ってて。何が違うかなと思ったら、きっと判断のスピードとか、目のスピードとか、相手の距離感とかで。

 僕もELに出たことあるんですけど、本当にその国によってサッカーがやっぱり違うんですよね。全然別物で。

 カウンターが主体な国もあれば、イタリアみたいに組織的に守って戦うとか、いろんなチームの色があったり。

 「こういう対戦相手にはこういうサッカーがいいな」「逆にこうしなきゃいけないんだ」っていう経験値もすごく僕はELを戦う中で感じていたので。

 「こういう相手だからこう戦う」っていう引き出しをたくさん持てるかどうかは、やはり経験値から来るものだと思うんですよね。

 そして、よりレベルの高いところで、よりレベルの高い選手たちと日々やることによって、よりその経験値は磨かれていくものだと思います。

 そう考えると、日々の積み重ねがやっぱり今の日本代表の選手たちのクオリティーに繋がってるんじゃないかなとは思います。

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