皆さん、こんにちは。
いつもシンクロナスをご覧いただき、ありがとうございます。
編集部員による日替わりブログですが、11月3週目の本日、今野より10回目のブログをお届けします。
先週、私は『ぼくとパパ、約束の週末』(新宿ピカデリー、角川シネマ有楽町ほか全国ロードショー)を見てきました。ドイツ及びドイツサッカー好き界隈では、昨年よりドイツ国内で100万人を動員した大ヒット映画として話題になっており、個人的に待望の日本上陸でした。
詳しい映画内容はぜひ映画館でご鑑賞し、ご自分の目で確認いただくとして、本稿では、私が面白く感じた部分を紹介します。
映画のメインストーリーは、自閉症の主人公・ジェイソンがスタジアムを巡る週末の旅を通してどう変化していくのかという部分であり、自閉症を持つ人間ではない私としては、「自閉症の人から見る世界」を巧みに表現する本映画についてお思いを巡らすことによって、自閉症に対する自分の理解がほんの少しでも進んでいたら良いなと思います。
また、劇中で女生徒から「あなたの好きなサッカーチームは?」と迫られるシーンがありますが、この映画はサッカー大国ドイツにおいて「好きなサッカーチーム」がないジェイソンというある意味での「少数派」として描かれていることも特色だと考えています。メインテーマである自閉症と並列して「スポーツを詳しくない人から見える世界」をジェイソンを通して擬似体験することができます。
この映画の二重構造は、重みのあるテーマでもある自閉症に対するクッション材としての役割をサッカー観戦というテーマが果たしており、また、サッカー観戦を描く映画として鑑賞に来た観客に自閉症に対する理解を深めるものとなっています。本映画は世界中でヒットし、またアメリカ・ハリウッドにおいてアメリカ男子バスケットボールリーグ・NBAをテーマにマーク・ウォールバーグ(「ザ・ファイター」「テッド」)主演でのリメイクが決まっているとのこと。マルク・ローテムント監督の自閉症への差別と偏見がなくなったらと生まれた本作の思いがさらに世界中の方々に拡がることを願ってもやみません。
(最後に、映画の題材となった親子によるメッセージ動画をご紹介します)
編集今野