先日、東京芸術劇場で『ピーターとアリス』を観劇してきました。
児童文学の名作『ピーター・パン』と『不思議の国のアリス』の主人公のモデルになった実在の人物二人が、互いの人生を振り返り語っていく……というストーリー。
子ども時代のトラウマであったり、当時の女性の立場や第一次世界大戦といった歴史背景もあり、とてもシリアスな雰囲気のお話です。一方で、モデルの二人の他に、ジェームズ・バリーとルイス・キャロルの作家二人、「ピーター・パン」「不思議の国のアリス」のキャラクター二人が同時に舞台上に立って、色々な動きや掛け合いを見せてくれるのが面白く、目が離せません。現実と記憶と幻想、時には観客までもが絡み合い、翻弄されるような鑑賞体験でした。
私もイギリス児童文学は昔から好きで、特に『不思議の国のアリス』には思い入れがあるので、この戯曲で描かれたような作品成立の背景を考えると複雑な感じがします。とはいえ、「子ども時代を閉じ込めておきたい」という作家の欲望や願いをふまえて読むことで、お馴染みのおとぎ話がさらに深く理解できる気がするのも否めません。
『ピーター・パン』と『不思議の国のアリス』をもう一度読み直してみたくなりました。
(編集・谷本)
