――遠藤航・ここだけの話――
1・苦しいときの「キャプテン論」
2・小学生時代に積み上げた財産

1・苦しいときの「キャプテン論」

 遠藤航です。

 今回は近況の報告と、「キャプテン」について考えてみたいと思います。

 チームは残留争いのなかにいます。

 昨シーズンも同じような状況に直面し、最終節でなんとか残留を決めました。

 あのときはサポーターや応援をしてもらっている方たちには申し訳ないし、自分自身に対してもキャプテンとして、選手として力不足を感じることがありました。

 それだけではなくチームが今よりも若く、練習をふくめたサッカーへの姿勢に物足りなさを感じたり……。このあたりは昨年の同じころのニュースレターで読んでみてください(苦笑)。

【2022年4月28日】残留争いの中でフォーカスすべきもの

 その点でいえば、今年のチームは、練習の質も上がってきていて、監督を中心にマネジメントにおいてもディテールにこだわる姿勢があります。

 一つのシーズンで4人目の監督という難しい状況ではありますが、今の姿勢を継続をしていくことで「シュツットガルトらしいサッカー」を作っていけるのでは、という期待もあります。

 ただ、シーズンは待ってくれません。現状で降格圏内にいて、残り2試合しかないという事実は変わらない。

 これまでやってきたことをブレずにやる――それが一番、大事だと思っています。

 先日、取材中に「2シーズン連続でこういう状況に陥って、何が大事か、キャプテンであり、チームの中で年長組であるあなたにできることは何か」と聞かれました。

 『月刊・遠藤航』をいつもご覧になっていただいている方であれば、僕自身がチームメイトに対して「言葉」で思いを伝えることが多くないタイプであることをご存じだと思います。

 質問の意図は、そういった姿勢を改め、言葉を発することでチームが変わることがあるのではないか、というものでした。

 確かにふだんあまりモノを言わない僕がチームに語り掛ければ刺激として変わることがあるかもしれません。

 質問に対して「その可能性はあるかもしれない」と感じたと同時に、「でも、難しいな」と直感的に思いました。

 例えば、うちのチームにはDFで副キャプテンの立場にあるアントンや、ボランチでコンビを組むカラゾルといった「ハートの熱い」選手がいます。彼らは試合や練習でもよくチームを鼓舞し、言葉でやり取りをしてくれます。

 ハーフタイムで大きな声で「もっとやろう」と発破をかけたり、「こんなんじゃだめだぞ」と喝を入れたりもしてくれる。

 そうしたとき、僕はどちらかというと、客観的に彼らの言動を見ようとしています。

 確かに「もっとやろう」「このままじゃだめだ」といったフレーズは、気持ちを入れ直すために重要です。

 その点で彼らの存在はとても大きい。他にも、ザガドゥや、もちろん監督もいろいろと話をしてくれていて、それぞれに意味があると思っています。

 「言葉」によって戦うメンタリティみたいなものを改めて注入してくれるようなイメージです。

 じゃあそういう選手たちがいるなかで、それまで何も言わなかった僕までもが言うべきか――。僕はもう少し違った視点を持つ必要があるかな、と感じています。...