日本代表が始動し、カタールワールドカップに向けて新たな準備を進めています。ブラジル戦など注目カードも多いシリーズになりますが、今回のNewsLetterでは、シュツットガルトの1部残留を決めた「伝説の試合」と「劇的ゴール」について遠藤航選手に綴ってもらいました。

刺激的だった恩師・曺さんとの「試合レビュー」

 オカ(岡崎慎司)さんとのlive配信以降、少し時間が経ってしまいました。

 ブンデスリーガの長いシーズンが終わり、日本代表へと活動の場所を移しています。このレターが配信される頃には、パラグアイ戦が終わってるかもしれません。

 ワールドカップに向けて半年を切っていますから、メンバーに選ばれるよう、そして代表の目標であるベスト8進出を果たせる力をチームに与えられるように、頑張っていきたいと思います。

 さて、5月に配信したライターのミムラさんが聞いてくれたドルトムント戦、僕の恩師である曺さん(貴裁)に出ていただいたバイエルン戦の「PICKUPMATCH」はどうだったでしょうか。

 あのときは、まさかシーズンがあんな展開で終わるとは想像もしていませんでした。正直にいえば、プレーオフも覚悟していたくらいです。

 このあたりの「窮地」に対するメンタリティについてはいずれまた、お話できたらと思います。人とは違ってユニークだと言われるので(苦笑)。

 ミムラさん、曺さんの「PICKUPMATCH」に加え、オカさんとの対談、どれも個人的に刺激的で、楽しかったのでご覧になっていない方はぜひ、見てみてください。

👉【動画ボード解説・バイエルン戦】「残留争いの中のバイエルン戦、恩師が直撃『仮想ドイツ代表、攻略法が見えたんじゃない?』」×曺貴裁(京都サンガF.C.監督)
👉【第29節 ドルトムント戦】「名門クラブとの一戦、『内容では上回っていた』に潜む罠」×ミムラユウスケ(スポーツジャーナリスト)
👉【遠藤航×岡崎慎司】プレミアとブンデス、フィジカルどっちが強いですか?

 あ、あと6月18日(土)には、みなさんの前でお話し、お答えする機会があります。そちらもチェックしてもらればうれしいです。サッカーをはじめいろんなことの「最適解」を探し続けているこのコンテンツを、みなさんと作っていきたいです。

👉6月18日(土)遠藤航選手、平塚に登場。トークイベント開催決定!

「僕の日じゃないな」と思った決定機

 と、前置きが長くなりましたが今回は少しだけ、1部残留を決めることができたケルン戦についてお話します。

 この試合は、チームとしても、個人としてもやることがはっきりしていた一戦でした。

 僕たちシュツットガルトは「勝つ」しか選択肢がない。勝ったとしても、ヘルタ・ベルリンが引き分け以上の結果を出せば、僕たちはプレーオフを戦うことになる。

 勝つ、そのためには点を取る。

 前半からアグレッシブに攻めました。それは実を結び、前半14分という早い時間帯に1点を先制します。その後も、2点目、3点目を狙いに行く。あの前半の出来からすればそれは実現できたはずです。

 だけどそうはいかないのがサッカーです。

 僕も2度、決定機を外してしまいます。1試合であれほど決定機を迎えることはこれまでのサッカー人生でもありませんでした。2本目のシュートがゴールバーをたたいたとき、「ああ、僕の日ではないな」と思ったことを覚えています。

 結果的に僕はこの試合で5本のシュートを打っています。その最後が決まったわけですが、そのくらい勝利へかける思いは強かったと思います。

 押し込んだ前半を終えて1対0。

 見た目には悪くないように思われるかもしれませんが、個人的にもチーム的にも「ちょっと嫌な空気」がありました。それくらい、全員がチャンスで得点を逸していた。 

 ハーフタイム。

 選手のひとりが...