"夏の風物詩"全国高校野球選手権・第108回大会(8/5-8/22)が目前に迫り、各地方では出場権を争い熱戦が繰り広げられている。一方、プロ野球とメジャーリーグはオールスターゲームを終えると、優勝争いの色が濃いシーズン後半戦へと突入する。
そんな野球で盛り上がる夏には、元西武ライオンズ監督・辻発彦さんと2026年プロ野球前半戦を振り返るスペシャルトークイベント「平石洋介の探球論REAL&LIVE」が開催される。今回は、イベント開催を記念して平石洋介の探球論のバックナンバーを特別公開!
セ・リーグは下馬評の高くなかったヤクルトスワローズが好調を維持、一方で地力に勝る阪神タイガースがしっかりと勝利を重ねている。
混戦なのはパ・リーグだ。前回の「探球論LIVE #4」で平石氏が指摘したとおりソフトバンクホークスが調子を落とし始めた。そんな中で、大きな期待を寄せられるのが大津亮介投手。キーマン分析として平石氏が、そのすごさを解説します。
KEYMAN分析/大津亮介
1999年1月13日生まれ。右投げ右打ち。身長175センチ、福岡県出身。
九州産業大付九州高 - 帝京大 - 日本製鉄鹿島 - ソフトバンク(ドラフト2巡目・23~)
5月14日現在で6試合4勝0敗。41.1回を投げて39奪三振5四球。防御率1.52。
――キーマン分析は、ぜひ大津亮介投手をお願いしたいと思っています。本当に圧巻の数字が結構出てまして。K/BB(運の要素を排除できる奪三振と与四球数を数値化。投手の評価指標として重宝される。3.5以上で優秀という評価)ですけど「16.00」ってこれもう本当に突出しています。今シーズン、すでに投げてるイニングス35なんですけど。四球が2つです((5月7日時点)。一昨年ぐらいから芽が出ていたとは思うんですけど、もうちょっと四球は出していました。いったい、何があったのかというところで……
平石 いい投手ですねー。
見ていてね、めちゃくちゃ邪魔な球種がチェンジアップ。これは(バッターからすると)邪魔なんですよ。
本当に「来ないチェンジアップ」で「変化をさせる球じゃない」んですよ、彼のチェンジアップって。もう腕をしっかり振って「来ないボール」なんですけど、めちゃくちゃ遅いんです。
――チェコ代表のサトリア投手みたいな。
平石 そんな感じです。昔、金子千尋投手(現北海道日本ハムファイターズコーチ)が好きだったみたいで。「あーそういうことか」と思ったことがありますね。
もともとあの「マッチェ」を投げ出したのって、最近で言えば金子千尋投手なんですよね。フォーシームチェンジアップっていうものですね。
フォーシームの回転できてるのにチェンジアップっていう。で、金子投手はトヨタの後輩なんで聞いたんですけど、「回転もフォーシームじゃないと困るんです」っていうんです。
「(チェンジアップは)真っ直ぐと同じ軌道で、僕の場合は変化したらダメなんです。チェンジアップってそうじゃないですか」と
結局、「真っ直ぐに見えて」「来ない」のがチェンジアップで、「落とすボールは他にもあるんです」って言ってましたね。
――なるほど。
平石 確かに金子投手は、(落とすボールは)スプリットとかシンカーもありました。一個、一個に意図があって、だからチェンジアップっていうのは変化したらダメなんですと。しかも回転はフォーシーム。
だからバッターはめちゃくちゃ厄介でしたね金子投手も。
それで大津投手。彼も本当にチェンジアップが遅いから、あのボールをマークし過ぎると真っ直ぐが間に合わなくなるんですね。でも、勇気を持って狙えるんだったら打てる確率が高いのもああいうチェンジアップなんですよ。
普通に考えたら遅いボールですから。勇気さえあれば、なんですけどチェンジアップが来るとも限らないので。
なのであのスピードが中間球ぐらいのボールであれば、真っ直ぐでタイミングを合わせるけど頭の中は中間球、それを待って真っ直ぐをポイント近づけてファウルとか、それより遅い球は引っ掛けてファウルで逃げたりとかできるんですけど……大津投手の一番厄介なボールがチェンジアップ、一番遅いボールです。彼の一番の特徴ですよね。
で、実際あれをバッターが嫌がっている。三振だって楽天戦で11個取って、次の西武戦で10近く(9個)取ったりとか。
あとは今シーズン2試合目か3試合目ぐらいから、もともとポーカーフェイスで淡々と表情に出さないタイプだったんですけど。今年は結構、「しゃっ!」みたいな気持ちが出ているシーンがあるんですよね。
だから勇気を持って投げ込めてるのかなとかっていうのはありますね。
――このタイプはシーズンの中で対策はされやすいとかありますか。
平石 もちろん球が「行くか行かないか」っていうのポイントもあります。真っ直ぐの走りがいいか悪いか。
でもランナーがいないときの彼は「2段モーション」気味で投げるんですけど、合間にポンとクイックを入れてタイミングを外したりとかいうのもやってますし(先を見据えられていると思います)。
一つ(試金石となるのは)やっぱりそのチェンジアップが操れなくなったときですね。「ストライクゾーンに来なくなってしまった」とかは、微妙な狂いであるじゃないですか。
ストライクゾーンに来ているうちは大丈夫です。
来なくなったときと、チェンジアップを狙われて仕留められるということが何回か出てきたときにどう変わっていくのか。
過去にも困ったときにチェンジアップを多投して(打たれる)というところがありますから。
もちろん今は真っ直ぐの質がいいからこそ(チェンジアップが)効くわけで、真っ直ぐが走らないとか、チェンジアップがストライクゾーンに行かない、精度が悪かったとき、そこで狙い撃ちされだしたときにどうなるかっていうところが考えていかないといけないところですね。
でもいいですね。
ホークスはピッチャーが苦しいだけに本当にいいですね。
・ストレート平均:146.4km/h(MAX152km/h)
・チェンジアップ平均:119.8km/h(MAX128km/h)
・この2球種で全投球の55%を占める。
・その他、スライダー(約16%)ワンシーム(約11%)、フォーク、カットボール、シュート、カーブなど。
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