"夏の風物詩"全国高校野球選手権・第108回大会(8/5-8/22)が目前に迫り、各地方では出場権を争い熱戦が繰り広げられている。一方、プロ野球とメジャーリーグはオールスターゲームを終えると、優勝争いの色が濃いシーズン後半戦へと突入する。

 そんな野球で盛り上がる夏には、元西武ライオンズ監督・辻発彦さんと2026年プロ野球前半戦を振り返るスペシャルトークイベント「平石洋介の探球論REAL&LIVE」が開催される。今回は、イベント開催を記念して平石洋介の探球論のバックナンバーを特別公開!

「平石洋介の探球論」リアルイベントは7月30日に都内で開催。ゲストは元西武ライオンズ監督の辻発彦さん。2026年シーズンの前半戦総括と後半戦...続きを読む
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1)2026年セ・パ順位予想​

2)プロ野球開幕3連戦の振り返り​
 
・「打順」の新潮流
 ・当たり年?「ルーキー」選手たちの起用と躍動

 開幕したプロ野球。平石洋介にとって2シーズン目の「評論家」業がスタートします。今回は2026年の順位予想とともに、3月31日に行われた「探球論Live#3」から開幕3連戦から見えた注目ポイントをご紹介します。

1・2026年セ・パ順位予想

パ・リーグ

1位 北海道日本ハムファイターズ
2位 福岡ソフトバンクホークス
3位 東北楽天ゴールデンイーグルス
4位 埼玉西武ライオンズ
5位 オリックス・バファローズ
6位 千葉ロッテマリーンズ

セ・リーグ

1位 阪神タイガース
2位 横浜DeNAベイスターズ
3位 中日ドラゴンズ
4位 読売ジャイアンツ
5位 広島東洋カープ
6位 東京ヤクルトスワローズ

2・プロ野球開幕3連戦の振り返り

――セ・パともに開幕3連戦が終わりました。まず雑感を。

平石 ついに始まりましたね。まだたった3試合ですけれど、色々ありました。僕はオリックス対楽天の試合を2日間解説していたのもあって、他の試合をフルでは観られていないんのですた……セ・リーグで言えば(下位予想をしていた)ヤクルトが3連勝、カープも3連勝しましたね。

 失礼な言い方ですが、特にヤクルトはびっくりですね。

 ジャイアンツと阪神は2勝1敗ですか。阪神の強さは最後に見えました。パ・リーグもホークス強かったですね。

――先にセ・リーグです。ヤクルトと広島が3勝0敗。特徴的だったのは、その6試合全てが僅差だったこと。カープ(対中日)に関しては6対5、2対1、1対0と全部1点差。ヤクルト(対DeNA)も3対2、5対2、5対3でした。

平石: 打順の組み方も面白いですよね。2番にサンタナ、3番に若い子(捕手を入れる、初戦・3戦が古賀優大、2戦目は20歳の鈴木叶)を入れたり。僕は全然ありだと思います。

――下馬評が高くなかったチームが、開幕3連勝するというのはシーズンにどのような影響を与えますか?

平石: 力が少し劣ると見られているチームが出だしでつまづくときついです。まだ3試合ですが、最低でも5割や貯金がある状況でスタートしないと、いきなり連敗でスタートすると本当にきつくなると思います。力があるチームなら落ち着いて巻き返せますが、その差はあるでしょうね。

―― そういう意味では、最高の第一歩ですね。

平石: 最高の3連戦でしょう。去年のロッテのようなこともありますが(ホークス相手に3連勝)

 以前解説したところで「開幕3連勝するとかなりの確率で優勝する」というデータがあると言っていましたけれど、去年ロッテが外れたので……(笑)。あくまでデータですが、面白いですね。

 広島もさすがだと思いました。3戦目に栗林(良吏)が、高橋宏斗に1対0の完封。高橋宏斗もいいピッチャーでなかなか点が取れない中、最後まで0点に投げ切ったのはすごいなと。

 3連勝は貯金3。2勝1敗なら貯金1。全然違います。最高の滑り出しですね。

――(栗林投手は)先発転向していきなり完封という。

平石: オープン戦で本人が「先発の中で一番出遅れている」とコメントしていましたが、栗林はトヨタの後輩なので頑張ってほしいなと思っていたところ、最高のピッチングをしましたね。

「打順」の新潮流

―― 3番、4番あたりに今までと違うタイプの選手を入れたりしていますね。古賀(ヤクルト・古賀雄大)捕手もバッティングいいですね。

平石: 僕は「4番が一番いいバッターだ」とは思っていないタイプなので、いいのですが、当たるか分からんけれど当たれば飛ぶというバッターより、確率が高いバッターや色々なことができる選手がいたほうが打線が繋がる気がします。

 上位に(良い打者を)置いたほうが打席数は圧倒的に多いですし。

 下位打線が弱くなるという人もいますが、上に集めたら下が弱くなるのは当然で、下でちょこまか作戦ができればいい。4番イコール長打という考えが全てではない気がします。

 ジャイアンツもキャベッジを1番にしたり、柔軟性が出てきて色々なものが変わってきているのはいいことですね。

 このあたりって新庄(剛志)監督の影響も大きいと思うんですよね。今はアナリストの方など、野球人ではない考えの人に影響を受けて「確かに」となることもあるでしょうし。

 野球界は固定観念が多いですから。

 でも「本当にそうなのか」と噛み砕いて考えたら違うことも多い。それが少しずつ出てきたのはいいことです。

――面白いポイントですね。ただ、結局めちゃくちゃ強い阪神やソフトバンクはオーソドックスだなと思ったりもします。

平石: 阪神はあの打順がなんでできるかというのは、近本(光司)・中野(拓夢)の出塁ですね。

 彼らは選球眼もいいし、長打はそんなにないけれど出塁率も高く足もある。あれは昔ながらの日本らしいスタイルですが、野球をよく知っていて技術も高い。

 ホークスは周東(周東佑京)のバッティングが良くなりました。3連戦は少しつまづいたかもしれませんが、彼が1番にいるとスチールの技術が高すぎてバッテリーの警戒度がすごい。そこから柳町や近藤。今は柳田が4番に入っていますが、嫌なバッターばかりですよ。

当たり年?「ルーキー」選手たちの起用と躍動

――セ・パ合わせて、ルーキーの起用が目立ちました。ジャイアンツのルーキー竹丸(和幸)、そしてロッテの毛利(海大)がプロ初登板、なんと開幕投手。すごかったですね。

平石: 良かったですね。まっすぐもガン(球速表示)以上に感じるでしょうし、球持ちもいい。上からの角度というより伸びてくるような。

 変化球もあれだけ操れたら、バッターが対応するのは難しいでしょう。毛利(毛利海大・ロッテ)もいいですね。打ち取ったあとの雰囲気なども野手は感じるものがあるでしょうし。

 二人とも大したものです。

 楽しみなピッチャーが出てきましたね。あとは1シーズン、ローテーションを守れるか。無理をさせる必要はないですが、「疲れが溜まったから飛ばしましょう」だけでは、プロの大変さを乗り越えられないので、その判断が難しいところですね。

 プロとアマチュアの大変さの差は、毎日試合があること。移動も頻繁にありますし、寝る場所も家とは限らない。そういうものを含めて慣れていく。

 そういえば、ドラフトで毛利は2巡目ですよね。ウェーバーはヤクルトが先でしたよね? 毛利を見て「なんでヤクルトは行かなかったのか」って言ってた方がいたんですよね。球団の事情があったりするので、絶対正解はないんですけど「確かにな」と思いました。それくらいい投手です。

――今年はルーキーの起用と活躍が多いです。西武の小島選手、広島の平川選手やサヨナラを打った勝田選手など。

平石 平川のバックホームはすごかったですね。センター定位置の少し前くらいから、岡林(岡林勇希)を刺した。3塁側の場合は1、2メーター逸れてもタッチできるので許容範囲内なのですが、素晴らしいボールを投げていました。カープは若い選手をどんどん使おうとしていて、いいことですね。

――楽天のドラフト1位の藤原投手も第3戦で投げましたが、結果は残念でしたが。

平石:オープン戦頑張っていましたよね。

 大学時代はそこまで野球が強いチームではなかったので、どこまで体力があるか見てみないと分からないと言われていた。そんな中で、オープン戦であれだけの成績を残しました。

 初登板の立ち上がりで出鼻を挫かれたのもありますが、相手が研究していたのかな、と想像します。癖があった可能性もありますね。オリックスが癖を掴んでいたのではないかと。

 露骨な癖ならオープン戦のうちに直しておけという話ですが……。

 でもよくあるんですよ。特にアマチュア時代はそこまで癖を指摘されないことも多いので。松井裕樹なんかは入ってきた時に全球種分かりました。

――ベンチで見ていて分かるんですか。

平石: はい。当時のコーチに「これ全部わかりますよ」と言ったら「抑えているから関係ねえよ」と言われましたが、プロの開幕からは相手チームも完全に分かっていましたね。

 今は映像チェックなどで露骨な癖はなくなりましたが、癖を見抜けるスタッフは限られています。アナリスト、スコアラーが数多くいるよりも、癖を見抜ける人を一人入れていたほうがいいと思いますね。

――面白いですね。「牽制する前に必ず右足の太ももを触る」といったような癖は、本当にあるんですよね。

平石:あります。これはアナログでやるしかないんです。2画面で映像を合わせて、直近3、4試合分をチェックします。中継ぎ投手ならもっと見ます。

――「癖見抜きコーチ」がいる球団もあると聞きますが。

平石:いますね。でも、本当にできない人はできない。「俺は見れないんだよね」って言われると、「いやいや、見てくれよ、見ようとしてよ」って思っちゃいますけど(笑)。

 でも、たぶんコツがあるんだと思います。ある程度出るところが決まっていて、「ここ」というポイントだけではなくいっぱいあるんですが、逆に「ここは関係ない」という場所もある。

 そういうのを1からずっとチェックして、イメージを残しておいて、「次はこう、はいフォーク、ん?」みたいな感じで確認していきます。分からないピッチャーは本当に分からないです。でも、発見できた時なんかは「よし!」って感じですね。

 ただ藤原投手も、もう一回チャンスをあげてほしいですね。

 だってルーキーで開幕ローテーションを勝ち取ったわけですから。成績を残して勝ち取った。これがもし本当に癖が出ていて、それが投げる方に悪影響を与えているんだとしたら、修正に時間はかけた方がいいかもしれないですが、その内容次第では、あの結果だけで二軍というのはもったいない。もう一回チャンスをあげてほしいなと思います。

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 元楽天監督・平石洋介と一緒に「野球を探求」していくコンテンツ「探球論」。毎週の野球分析記事やLIVE配信、対談など「プロの現場レベル」のお話を話していきます。連動企画書籍『人に学び、人に生かす。』は好評発売中。

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平石洋介より(From Yosuke Hiraishi)

2025年は『人に学び、人に生かす。』を出版させてもらいました。長く読んでもらえればうれしいです。2026年はより野球の見方、現場の考えを伝えられるコンテンツにしていきたいです!

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