ワールドカップに挑むサッカー日本代表のキャプテン・遠藤航。世界的ビッグクラブであるリバプールに所属する彼はどうやってそこにたどり着いたのか。「エリートコース」でも「王道」でもない、彼が辿った過程にあったシンプルで至高の「成功の道の上り方」。
――6月12日発売の新刊『STEP 夢を叶える33のブースター』より「プロローグ」の一部を紹介する。
プロローグ
夢を叶えたことがある。──これまでの人生を振り返ったとき、自分なりに自信(手応え)を得ることができているのは、その経験があったからだと思う。
最初に目指した夢は「サッカー選手になりたい」。小学生の頃だった。
そこからいろんな経験をするたびに夢は増えていく。「ワールドカップに出たい」「プレミアリーグでプレーしたい」「プレミアリーグで優勝したい」「日本代表でワールドカップ優勝」「息子と一緒にプロのピッチに立つ」……未来の自分を想像し続けた。
その点でこれまでの僕のキャリアは、夢を叶えるために必要なことを考え続け、それを判断基準にしたことで形作られてきたと言える。結果として最初の4つは実現し、「日本代表でワールドカップ優勝」は「夢」ではなくなった。「息子と一緒にプロのピッチに立つ」ことは、最もわかりやすい僕の今の「夢」である。
漠然と書いたけど、「夢」とはけっこう難しい存在だ。
「こうなりたい」「ああしたい」という思いが自然と湧き上がってくるときはまだいいけれど、特に歳を重ねるにつれてなんとなくそれを口にすることが憚はばかられるようになり、大人になっても「夢を追う」のは限られた人、あるいはどこか無謀で珍しい人として捉えられる向きもある。
加えて「サッカー選手になりたい」といった明確なモノであれば口にしやすいが、それが見い出せない人も多くいるはずだ(後にも書くけど、夢は明確じゃなくてもいい、と思っている)。
先に断っておくと、この本で「みんな夢を持つべきだ」と伝えたいわけではない。
ただ、一方で夢を追う人を色眼鏡で見るべきではない、とも思っている。
というのも、夢を叶えることができた僕は「それ(夢)を持っているか、いないかで何かを成し遂げるときのモチベーション、意識が大きく変わる」ことを知っているからだ。
じゃあ、その夢はどうすれば実現できるのか。
必要なことは「ステップ(STEP)」だと思っている。
「日本代表でワールドカップ優勝」が「夢」ではなくなった、と書いたけれど、これはそれを諦めたということではない。むしろその実現に大きく近づいた──つまりステップアップできたことで「夢」ではなくなった、という意味である。
本書は僕が追ってきた「夢」を起点に、それを叶えることができた背景について、できるだけ詳細に書いてみる。
いろんな経験をさせてもらって、自分の中でかなり整理できた考え方、実践方法だ(補足をしておくと紹介しているエピソードと考え方が、つねに意識化されていたわけではない。振り返ってこうだったな、という箇所もある)。
僕の視点から見るとそれはここまでの人生の集大成だ。
楽しみながら読んでもらえるとうれしい。
チームメイトの言葉
「日本と対戦したいと思っているよ」
チームメイトのコーディ・ガクポが...

