2025年もいよいよ終わりに近づく。
鈴木誠也は今、どんなトレーニングを何を目的に行っているのか。そして注目の侍ジャパンへの思いとは――。独占寄稿。

INDEX
・サスペンションのない車ではなく、波打つ心身へ
・WBC2026、必要とされるのは嬉しい
・サスペンションのない車ではなく、波打つ心身へ
・WBC2026、必要とされるのは嬉しい
サスペンションのない車ではなく、波打つ体へ
だいぶ寒くなってきました。ポストシーズンが終わって、負けてしまった悔しさ、もっとやりたかったという願望、10月の野球に感じた純粋な楽しさ、シーズンを通してプレーできた達成感(達成、とは少し違うかもしれないですが)、まだやれることはあるという思い……。
一気に、やってきた感情を整理ながら、来年に向けてトレーニングをしています。
意識の中心にあるのは「体の使い方」。
例えば外野の守備。内野に比べて長い距離を走る外野の守備は、動きながらボールをキャッチする必要があり、上半身と下半身をうまく使う必要があります。
そのあたりの基礎的な部分は日本の頃と変わらないのですが、メジャーにおいては打球の質と環境に違いがありました。
打球の質で言えば、不規則で強く飛んでくる。環境的にもライトが暗く、風が強い。
必然的に緊張感のあるなかでのプレーが求められました。
こうした緊張(あるいは寒さや疲れといったコンディションが理由のときもあります)した状態でボールが飛んできたとき、つい体が固まってしまうことがあります。
それ自体はある意味でどうしようもないのですが、問題なのが、...
