徳川政権末期の「徳川近代」という時代は、明治新政権が政治的に江戸時代を全否定することによって抹消されてしまった。
その影響は現代まで続いている。勝者である官軍によって歪められた歴史は、幕末を生きた偉人たちの存在を掻き消してしまった。
しかし、再来年の大河ドラマ「逆賊の幕臣」で、幕臣として近代化に尽力した小栗忠順が主人公になるなど、少しずつ歴史の見方も変わってきている。
本企画では、小栗忠順のみならず「幕末・維新を動かした真の主役たち」というべき人物に着目し、音声を中心に記事や動画などもまじえてお届けしていく。
真の主役たちから浮かび上がる「明治維新の真実」
歴史作家として幕末史を追い続けて20年になります。今年は「昭和100年」「戦後80年」という節目の年でもあり、改めて日本近代の出発点である明治維新を見直す必要性を強く感じています。
以前から「もし明治維新がなければ、後の悲惨な敗戦には至らなかった可能性が高い」と考えてきましたが、この見方は決して一般的ではありません。
というのも、日本では歴史ドラマが歴史認識に影響しやすく、日本史教育も十分とは言えません。学界の主流解釈も必ずしも検証を尽くしているとは思えないからです。
明治維新について語られる出来事の多くは、維新で勝った側の都合に沿って書かれてきた物語に依拠しており、公教育の教科書に至るまで、その影響が色濃く残っています。
本企画では「幕末を動かした真の主役たち」に光を当てます。彼らがどのように生き、何を考え、どう行動したのか。そして、維新後に新政府は彼らをどう扱ったのか。人物の軌跡を丁寧にたどることで、従来のイメージとは異なる「明治維新の真実」をお伝えします。
いまこそ日本の近代史をもう一度検証し直さなければなりません。歴史の誤解を放置すれば、同じ過ちを繰り返す危険が残るからです。本企画が、維新と戦後日本をつなぐ「本当の歴史」を考えるための手がかりとなれば幸いです。
音声内容(再生時間:27分51秒)
- 明治維新がなければ大東亜戦争は起きていなかった
- 「明治維新とは何か」を検証する必要がある
- 坂本龍馬は土佐藩を脱藩したのか?
- 歴史というのは必ず線で見なくてはならない ……等
次回からは以下の5人の人物について論じていきます。歴史教科書で語られてきた従来の視点を覆す見方を皆様にご提示していきます。
阿部正弘 しれっと開国した徹底した改革派老中
井伊直弼 薩長討幕派がもっとも恐れた誇り高き保守文化人
小野友五郎 米軍士官が驚愕した天才科学官僚
小栗忠順 近代日本をデザインした国際派武断官僚
土方歳三 徳川陸軍 最初で最後の近代歩兵戦指揮官
<次回>【幕末・維新を動かした真の主役たち 第2回】阿部正弘 #1
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明治維新について語られる人物像の多くは、維新で勝った側の都合に沿って書かれてきた物語に依拠しており、公教育の教科書に至るまで、その影響が色濃く残っています。
本企画では「幕末・維新を動かした真の主役たち」に光を当て、音声を中心に、記事や動画などもまじえて配信していきます。
彼らがどのように生き、何を考え、どう行動したのか。そして、維新後に新政府は彼らをどう扱ったのか。人物の軌跡を丁寧にたどることで、従来のイメージとは異なる真実の明治維新」をお伝えします。
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