夫婦カウンセラーとしてこれまで2000組以上の夫婦をサポートし、著書『夫は、妻は、わかってない。夫婦リカバリーの作法』でも注目を集める安東秀海先生が、読者の皆様から寄せられた夫婦関係のお悩みにお答えする「夫婦リカバリー相談室」。
シリーズ「夫婦定期健診のススメ」では、夫婦問題の予防や早期発見のために必要な向き合い方や考え方を安東先生が紹介・解説。夫婦の間に病の兆候がないかをチェックすることによって、夫婦の健康状態について正確な知識を持ち、良い関係を維持していきましょう。
今回は、夫婦問題が生まれるタイミングについてお送りします。

夫婦の問題はいつ始まるのか?
夫婦関係専門のカウンセリングルームを開設して今年で10年になりますが、この間に夫婦カウンセリングを取り巻く状況は大きく変化しました。開設当初は認知度も低く、家庭の問題を他人に相談することへの抵抗感は今以上に強かったものの、現在では本当に多くのご夫婦が、夫婦間の問題解決に向けた選択肢の一つとしてカウンセリングを選ばれるようになっています。
それでも、カウンセラーとして「もっと早くご相談いただけていたら」と感じることが少なくないのは、今も10年前も変わりません。もちろん、関係の継続だけが最善と考えているわけではありません。停滞した関係を解消し、新たな道を選ぶことも価値のある選択です。
ただ、修復が困難になるほど夫婦の関係がこじれてしまう前に、また、一緒にいることが苦痛になるほど傷つく前に手を打てていれば、思い描く未来も、選べる選択肢も変わった可能性があります。それではいつ、何をきっかけに夫婦の関係を見直せばよいのでしょう? 今回の「夫婦定期健診のススメ」では、夫婦関係にこじれが生まれやすい時期について考えてみたいと思います。

夫婦の物語はいつ、どのように「書き換えられる」のか?
「どうしてこんな人と一緒になってしまったんだろう」。そう感じてしまう結婚生活であっても、始まりの物語はきっと輝かしいものだったはずです。「この人しかいない!」とお互いを選び合い、未来に希望を抱いて始まった二人の物語。しかし、それは一体いつ、どのようにして「書き換えられていく」のでしょうか。...