夫婦カウンセラーとしてこれまで2000組以上の夫婦をサポートし、著書『夫は、妻は、わかってない。夫婦リカバリーの作法』でも注目を集める安東秀海先生が、読者の皆様から寄せられた夫婦関係のお悩みにお答えする「夫婦リカバリー相談室」。

 シリーズ「夫婦定期健診のススメ」では、夫婦問題の予防や早期発見のために必要な向き合い方や考え方を安東先生が紹介・解説。夫婦の間に病の兆候がないかをチェックすることによって、夫婦の健康状態について正確な知識を持ち、良い関係を維持していきましょう。

 前回から引き続き、夫婦問題が生まれるタイミングについて、もう少し踏み込んでお送りします。

(写真:SDI Productions / E+ / GettyImages)

ライフイベントは夫婦にとって負の側面も

 前回、結婚生活を続ける過程で、夫婦の関係性が変化し、新たな課題に直面する時期が訪れるとお伝えしました。それは年月を重ねた中で起こることと思われたかもしれませんが、夫婦にとって最初のライフイベントは新婚生活です。つきあっていたころはケンカひとつしなかったのに、結婚して一緒に暮らし始めた途端にケンカが絶えない、というのはよく聞く話です。

 ライフイベントという環境の変化が、夫婦の関係にどんな影響をもたらすのかと、気をつけておきたいことについて考えてみたいと思います。

結婚直後〜新婚期:理想と現実のギャップ、そして「呑み込み」

 結婚生活には、夫婦の関係性が変化し、新たな課題に直面する時期が必ず訪れます。中でも新婚時代は、お互いの生活習慣や価値観の違いが次々と明らかになる時期です。共同生活における役割分担、家事の進め方、金銭感覚など、些細なことでも意見の相違が生まれやすいでしょう。...