街を歩いていると、不意に耳に入ってくる言葉がある。誰かの会話、カフェのBGM、看板の文字。芸人・鈴木ジェロニモが、日常の中で出会った“ちょっと気になる言葉”に耳をすませて、思考を巡らせます。

ロイヤルホスト。スキー場で雪に疲れた頃に開放的に休みたくなるコテージのような佇まい。階段を上がって二階の扉を開けると入店したことになって、店員さんが来る。窓際のお好きな席へどうぞ、と言われたので窓際の、いくつかある空席のひとつに、店内の様子を見たかったから窓を背にして座る。テーブルが、頼りたくなる背中のように、大きくて広い。そこに大の字に突っ伏しても許されそうだと思って、行動には移さない自分に安心する。店員さんが持ってきてくれたメニュー表を見る。確かに安くはない。しかしその安くなさに納得がいくくらい、入店から座るまでの間に、この空間に対してクリスマスのような愛着が湧いていた。安くなくてありがとう、とすら思える。...