「SEIYAS BATTING REPORT」スペシャルニュースレター。

 鈴木誠也選手の近況やそれをもとにした「打撃論」「野球論」と、誠也さんが送られてきたみなさんに質問にお答えする【Q&A】企画を配信します。

INDEX
1)【質問 1】「手首を返さない」はどうやって?(中学2年生)
2)【質問 2】緊張と本番前のトレーニングについて(中学生)
3)【質問 3】トラウト選手と何を話しましたか?(女性)
4)【バッティングレポート】三打席連続HRから現在まで

1)「手首を返さない」はどうやって?(中学2年生)

【質問】中学生で野球をしています。バッティングについて、指導者に「手首を返さないように」と言われます。「メジャーリーガーもそうだ」と言われて、見てみると確かにそうなっていました。どうすれば「手首を返さない」ようにできますか。

【回答】
 うーん、難しい質問……その子の映像を見ていないのであくまで僕の考えとして聞いてください。

 まず僕は「自然のままでいい」と思います。

「手首を返す」は「手首をこねる」とも言われて改善が必要なことは確かです。こねると右打者ならサードやショートへ、引っかけたような打球が増えてしまうし、ヘッドが先に出てしまうのでボールを待つこと(バットを止める)ができなくなったりします。

 ただ、バッティングにおいて「手首は必ず返る」ものでもあります。

 メジャーでは「手首を返さない」ことを大事にする(パームアップ打法とも言われる)選手もいますが、そんな選手も最終的には手首が返ります。

 チームメイトのニコ(・ホーナー)はまさにそういうバッティングをしますが、打った後は手首が返っている。それは自然な動きで、スイングをすれば必ずそうなるということです。

ニコ・ホーナー(シカゴ・カブス所属)。

 もし、あまりに「こねすぎる」ようであれば、「バットをセンター方向に投げ出すイメージで振る練習」を繰り返すのが一つの方法です。

 ただ、これも結構、難しくて感覚的なものなので……。

 僕だったらどうするか、というと「手首を返さない」みたいな意識をせず、自然にバットを振ることを心がけます。

「こねてしまう」一つの理由に、上半身や腕だけでバットを扱おうとしてしまうことが挙げられます。特に、監督やコーチに「こねるな」と言われると、直そうとするあまり腕・手首ばかりを意識をした素振りやバッティングをしがちです。

 いいスイングとは、腕や上半身の状態だけで決まるものではなく、体全体の力を最大限使えるかどうかです。だから、言われた部分(細部)だけにフォーカスしていては、いいスイングになりません。

 なので、まず自然にバットを振ること。特に、素振りを中心に、体全体を大きく使うスイングを意識して取り組むのがいいと思います。

 メジャーに来てから、多くの日本野球との「違い」に驚きがありました。

 そんな中で「これは変わらないな」と思ったことが「素振り」の大切さです。

 試合で結果を出すには、いかに「素振り」と同じスイングができるか、が勝負です。

 ピッチャーはバッターのスイングを崩そうとする。

 バッターは自分のスイングで打ちに行こうとする。

 これがバッティングの駆け引きで、すべてと言っても過言じゃありません。

 ですから、まず素振りにおけるスイングが理想的なものでなければ勝負にならない。

 そして、バッティング練習は遠くへ飛ばしたり、いい打球を打つためにやるのではなく、...