日中はもくもく入道雲の空でも、夕方になると秋の虫の音。リンリンリンと聞こえてくると、それだけで涼しい気持ちになります。

8月が終わりますね。

そろそろ新米の便りが届きそうな気配で、こうべを垂れる稲穂を見てはうっとりしています。食欲の秋はすぐそこ。

やはり食べることが好きだなあと、季節ごとに感じてしまいます。

というわけで今回のお話は、“食”にまつわること、お気に入りの調味料について書かせてもらえたらと思います。

へしこは糠を洗って。新しい美味しさを発見

いきなり余談ですが、先日、わたしの実家がある兵庫県の丹波篠山へ帰省しました。その道中、石川県から兵庫県へ向かうには、福井県と京都府をつなぐ鯖街道を進むわけで。

鯖街道といえば、福井県。

福井県といえば、へしこ(糠の中で生鯖を発酵させたもの)なのです。

そうなのです。わたしはへしこが大好きです。なので、いつも道中も含めて楽しみに帰省しています。

へしこの美味しさと言ったら、旨味の要約とでも言いましょうか、ご飯が何杯でも食べられる感じのお味です。高速道路の北鯖江PAに「へしこおにぎり」が売っているのですが、あると絶対に買ってしまう……。

もちろん、へしこも道中の道の駅なんかで必ず購入します。

へしこは、糠を落とさずに軽く炙って食べたり、糠を洗い流して薄皮を剥いて食べたり。いわゆるおつまみ珍味です。

ちなみに、石川県にも似たような発酵食品で、“こんかにしん”という、へしこのニシン版があるのですが、へしこの鯖のほうが、ややライトなイメージ(こんかにしんも大好きです)。

実は今まで、地元石川県のこんかにしんは糠ごと食べるので、へしこも同じように食べていたんです。

でも、福井県の方は「糠を洗い流して食べるのもポピュラーだ」というのを聞いて、やはり地元の方の食べかたが気になる。ちょっと面倒だけど、糠を洗い流して、鯖の皮を剥いて薄〜くスライスして食べてみました。

が、なんということ。これは美味しすぎる!

糠を落とすことで、鯖のオイリー感が上品にお口の中で広がっていくではないですか。

というか、へしこおにぎりの中身はこれだったではないか。なぜ今まで気づかなかったのだろう……。

この夏のあたらしい発見でした。

最近は、毎日の晩酌で、糠を洗い流したへしこをちょっとずつ大切に食べています。この夏のあたらしい幸せです。

糠も美味しいので、捨てずに軽く炙って、すり鉢で細かくパウダー状にしてから保管。きゅうりのぬか漬けに添えたり、ご飯のお供にしたりして楽しんでいます。

ほんのちょっとのことで、食の楽しみは広がっていくものですね。小さな美味しい幸せは、わたしにとって豊かなことのひとつなのです。

醤油、塩、酢、みりん、砂糖。わが家の定番調味料

さてさて、前置きが長くなりました。

調味料も小さなことだけど、毎日の美味しい幸せに繋がっているから、ひとつひとつ選ぶのは楽しいこと。

醤油は用途に合わせて使い分け

まずは、わが家で欠かせない醤油について。

醤油は3種類。
• 濃口醤油「井上古式じょうゆ」
• 薄口醤油「井上こはく」
• お刺身醤油「極寒仕込み北陸」
を使っています。

濃口醤油「井上古式じょうゆ」

10年以上使い続けている、わが家での定番の味。まろやかで塩味が程よいところがお気に入りです。お浸しや、ソテーとかのシンプルなおかずが美味しくなるんですよね。とても頼りにしています。

薄口醤油「井上こはく」

数年前から使っています。わが家で、薄口醤油の出番はそれほどないのですが、どうしても色をキレイに仕上げたい時、このお醤油があれば安心。濃口醤油と同じく、味がまろやかで優しい。

お刺身醤油「極寒仕込み北陸」

地元・石川県のお隣、富山県の濃口醤油。

たとえば、冬の北陸の寒鰤のお刺身なんかにぴったりで、脂の乗ったお刺身もこのお醤油でいただくと、ちょうどよく塩味が脂を包んでくれるのです。

井上古式じょうゆだと、魚の脂にちょっと負けてしまう、そんな時のお刺身用のお醤油です。

味付けの基本「塩」

調味料の中で塩も好きです。

• 能登の塩「荒波の花」
ゲランド塩
• 岩塩「アルペンザルツ」

他にも、越前塩、山塩、海女塩、珠洲の揚げ浜塩など、いろんな味わいが楽しくてついつい集めてしまう塩コレクションです。

能登の塩「荒波の花」

その名の通り、粒子が荒いお塩でミネラルを感じる味。お手頃な価格なので、普段の調理にはもちろん、梅干しやお味噌作りで塩をどっさり使う時にも重宝しています。

ゲランド塩

色がほんのり付いていて、見ているだけでもミネラルを感じますよね。わたしはおつまみを作るときは、ついついこのお塩に手が伸びます。塩くどくならないのはもちろん、素材の輪郭を引き立ててくれる気がして大好きです。

岩塩「アルペンザルツ」

もっぱら夫が愛用。お肉やお魚料理の下味に、粒子が細かいから満遍なく塩味が付くのがいいのです。あと、名前の響きが良くてカッコいい。

酢、みりん、砂糖。欠かせない調味料、まだまだあります

次に、わが家は夫婦共にすっぱいものが大好きで、お酢も欠かせません。

米酢は「老梅 純米酢」

福井県のお酢を長年愛用しています。老梅という名前から、「梅が入っているの?」と聞かれることがあるのですが、純粋な米酢です。

とてもまろやかで、ツンとこない黒酢のようなまろやかさ(だと思っています)。シンプルな酢の物でも、甘酢漬けでも、本当に美味しく出来ます。

お酢までいったら、みりんですよね。

角谷文治郎商店三洲三河みりん

ずっと愛用。違うメーカーのものを使った時もあったけど、甘味の雰囲気が、この三洲三河みりんが好きで、結局ここに落ち着きました。火を入れなくても、そのまま飲めるくらいの美味しさなのがいいなあと。

お料理の甘味は、みりんだけだと風味が強く出すぎる場合があるので、お砂糖も少し加えて調整することもあります。

というわけで、お砂糖。

種子島の「粗精糖」

お料理に使っています。ミネラル感が料理にいい風味を加えてくれるのが好きで。

お菓子作りにはグラニュー糖を使いますが、料理にはもっぱら粗精糖です。コクがあるので、少量でも風味がアップするような。酢の物にもほんの少し入れるのが好きです。

「ああ、美味しい」と思う瞬間が毎日の中にほんの少しあるだけでも豊かなことですよね。

そんなわが家の“美味しい”を支えてくれる調味料たちのお話でした。

それでは、次回もまたみなさまとお会いできますとうれしいです!

 

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