結婚生活の中で積もり積もった不満や違和感。もう離婚しかないと思うほどの不仲やトラブル。
さまざまな夫婦の在り方があるからこそ、ふたりの間だけで解決できない悩みや問題を抱える人も少なくないでしょう。
夫婦カウンセラーとしてこれまで4000組以上の夫婦をサポートし、著書『夫は、妻は、わかってない。夫婦リカバリーの作法』でも注目を集める安東秀海先生が、読者の皆様から寄せられた夫婦関係のお悩みにお答えします。
今回は、夫の長年にわたる不倫が発覚した、ゆんさんからのご相談。夫を信じたい気持ちと、離婚への迷いの間で揺れています。
ゆんさん(仮名)からのご相談
夫(けいさん)の長期間にわたる不倫について相談したいです。
私は結婚17年目で、12歳と9歳の子どもがいます。
今年1月末に、子どもたちが夫のスマートフォンに保存されていた女性の写真や動画を見つけたことをきっかけに、夫が約10年間にわたり不倫関係にあったことが分かりました。
夫は翌月半ばには「関係は終わった」と説明していましたが、3月に出張の機会を利用した旅行をし、関係が継続していたことが発覚しました。その後、LINEや電話番号などをブロック・削除したものの、関係が継続していることが最近発覚しました。
夫は相手女性について、「自分が結婚していることは伝えていない」「相手を傷つけたくない」「相手に何かしたら許さない」などと言い、私が法的な対応を取ることについても強く反対しています。一方で、LINEのやり取りからは、相手女性が夫に家族がいることを認識していることが確認できています。
夫が私や家族よりも相手女性を守ろうとしているように感じられ、そのことに強いショックと悲しみを感じています。
夫は現在、「守りたいものは子どもたち2人で、ある程度大きくなるまではそばにいたい。子どもたちにとって何が最善かを考えたい」と言っていますが、私に対しては、「本音が言えない、何を言われるかわからない怖い存在、優しくできない、生理的なものだから変えられない」と述べ、夫婦関係を改善する気持ちは感じられません。
また、「相手との縁を切る」とも言っていますが、「自分のやり方で行う、これ以上とやかく言われたくない、私が相手に何もアクションを起こさないことが条件」などと言い、私が相手に何かをしたら離婚だ、私が応じなければ裁判だ、と言っています。
「あなたは有責配偶者だから、離婚請求は簡単には認められないよ」という話をしても、私から受けた精神的苦痛を主張すればできる、と強い口調で突き返されます。
私は現在、弁護士への相談も進めていますが、長女の中学受験もあり、終わるまでは波風を立てたくないと思っていますが、私自身がこの半年間で受けた精神的苦痛に深く傷ついており、仕事にも集中できない状況となっています。半年後に慰謝料を相手女性に請求したとしても、さらに夫の態度が悪化することを想像すると、不安な気持ちになってしまいます。
夫は子どもたちには優しく接しており、子どもたちはパパが浮気したことは知っていますが、それでもパパのことが好きだと言い、離婚してほしくない、パパに家を出て行ってほしくない、と言われます。
私は今、
・夫との関係を修復する可能性があるのか
・夫と相手女性が本当に別れる可能性はあるのか
・子どもたちのために婚姻関係を続けるべきなのか
・自分自身の幸せや人生をどのように考えればよいのか
が分からなくなっています。
正直なところ、夫を信頼することは難しくなっています。しかし、離婚する決断をする勇気も持てず、子どもたちのことを考えると現状を維持した方がよいのではないかという気持ちもあります。
また、私の中には、「もし夫が本当に相手女性と別れ、夫婦関係に向き合う意思を持つのであれば、その可能性も考えたい」という気持ちがある一方で、その可能性を待ち続けることでさらに傷つくのではないかという不安もあります。
私は今後どのような視点で状況を見つめ、自分の気持ちを整理していけばよいのでしょうか。一緒に考えていただければ幸いです。
(妻・ゆん、夫・けい)
※頂いたご相談に編集を加えております。ご了承ください。
夫婦カウンセラー・安東秀海があなただけのお悩みに答えます
今すぐ許そうとしなくてもいい。傷ついた自分自身を守り、これからの人生を考えるために
結婚して17年。10年という長きにわたる夫・けいさんの裏切りを知ってしまったというゆんさん。 「もし彼が本当に向き合ってくれるなら、やり直せるかもしれない」と前を向く一方で、「彼を信じることができない」という深い葛藤の中にいるようです。
「夫婦リカバリー相談室」、今回は夫の不倫問題に直面するゆんさんからのご相談について考えてみたいと思います。
まずは「自分自身の救済」をすべての最優先に
不倫が発覚したとき、多くの方が「許すべきか」「信じるべきか」「離婚か修復か」という問いに直面します。ですが、今最初に取り組むべきは関係の修復ではなく、「自分自身を救うこと」です。
仕事に集中できない、不安が消えないといった状態は、心が出している限界のサイン。眠れない・食事が喉を通らないなどの変調がある場合は、専門医に相談することも含め、まずはご自身の心と身体を回復させることに全エネルギーを使ってください。
今はまだ、これからの人生を決めるタイミングではありません。「許さなければ」と気負う必要もありません。大切な決断は心身が回復してから。「まずは自分の心を守る」、できれば今はそれだけで充分です。
夫の言動は「暴走した自己保身」と捉え、一歩引いてみる
「相手の女性を守る」
「お前が何かしたら離婚だ」
不倫発覚後に見られるこれらの不遜な言葉は、罪悪感やパニックからくる典型的な「自己保身の暴走」ともいえます。...