名店で味わう一杯も、家で作る一皿も、それぞれの美味しさがあります。
「冷やし中華始めました」
6月の半ばに入る頃には多くの町中華で店先のメニューに登場する冷やし中華。最近は暑くなるのが早くなったので、ゴールデンウィーク明けにはフライング気味に始めるお店もちらほら。
とにかく喉越しのいい冷たい麺を欲する季節になりました。
冷やし中華にもいろいろあります。定番の甘酢醤油、コックリ濃厚なゴマだれ、ゴマだれから派生した日本ならではの冷やし坦々麺、最近ではさっぱり味わい深い塩だれなどバラエティー豊か。
まずは、私の好きな町中華の冷やし中華をご紹介したいと思います。
夏になったら食べたい「あの店」の冷やし中華5選
王道の冷やし中華から。
ここが発祥の店として知られる神保町の揚子江飯店(ここは一年中食べられる)を始め、人それぞれにお気に入りのお店があると思いますが、私の推しは恵比寿の駅から少し離れた場所に隠れ家的にある有昌の一品。
このお店は以前は渋谷の並木橋近くにありましたが、一度惜しまれながら閉店後、ファンの熱い想いに応えて2年ほど前に今の場所で復活した町中華の老舗です。
夏の風物詩になっているのが目にも美しい冷やし中華。
たっぷりと盛り付けられた、ふんわりシャキシャキの細切りきゅうりの緑に、海老の赤が映える完璧なビジュー。チャーシュー、錦糸卵の定番具材に加えて、特筆すべきは甘辛く煮た椎茸の存在です。
この店の名物に椎茸ソバ(塩味スープに甘辛の椎茸と白髪ネギ)なる一品があるのですが、その椎茸が冷やし中華でもいい仕事をしています。甘辛加減が絶妙で、甘酢のタレにより深みとメリハリを出してくれるのです。
ちなみに冷やし中華といえば辛子が添えられていることが多いですが、この店では自家製ラー油で味変するのをすすめています。具材がたっぷりなので、なるほどラー油のほうが絡みがよく、美味しくいただけるような気がします。
ゴマだれの冷やし中華は町中華というより、ちょっと高級な飯店系というかホテルの中華のイメージ。具材はチャーシューの他に蒸し鶏やくらげなども入った贅沢版です。
ウエスティンホテルの龍天門やホテルオークラの桃華林にもよく足を運びます。ちなみに桃華林ではお願いすれば醤油だれとゴマだれの両方を一緒にサーブしてくれるサービスも。
冷やし坦々麺は恵比寿にあるマサズキッチンがお気に入り。
この店は四川料理を供しているので、本場の汁なし坦々麺、汁ありから選べるのですが、夏場はオリジナルの冷やし坦々麺が絶品。
ゴマだれは胡麻とナッツを合わせた深いコクと心地よい甘さで、汁まで飲み干してしまうほど。具材は味の決め手になる肉そぼろと白髪ネギだけというシンプルさで、麺とスープのおいしさを堪能できます。
最後は、これを食べないと夏は越せないと毎年楽しみにしている池尻大橋にある「鶏舎」の冷やしネギそば。
極細にカットされたのち、水にさらしてシャキッとさせたたっぷりの白髪ネギに、細切りにしたチャーシューときゅうり。コシのある細麺になんともいえない旨味のあるタレと葱油がよくからんで、箸が止まらない美味しさです。
途中でお酢やラー油で味変すれば最後まで飽きずにいただけます。
ただ、ここ数年はこの唯一無二の味を求めて、多くのファンが押し寄せ長い行列を作るようになったので、おいそれと気軽に行けなくなってしまったのが悲しい……。
なかなか本物を食べられないので、最近では家で味を思い出しつつ、見よう見まねで作るようになりました。
おすすめ市販品と、家で美味しく楽しむひと手間
ここからは家で作る冷やし中華についてお話したいと思います。...
