苦味が美味しい菜の花で春の訪れを知る

三寒四温とはよくいったもので、凍えるように寒い日が続いたと思えば、その翌日にはアウターを着ていると汗ばむような陽気になったりと2月の気候は目まぐるしいですよね。この気温差は体調を崩しやすいので気をつけなければいけません。

とはいえ、買い物に出かけたスーパーには春の野菜が並び始めており、確実に春が近づいてきていることを実感する今日この頃。中でも黄色い可憐な花をつけた菜の花は眺めているだけで春気分を先取りできるのがうれしい春野菜です。

これだけたくさんの野菜がある中で花自体を食べるのは秋の「菊」と春のこの「菜の花」くらいなのが不思議ですが、可憐なルックスと爽やかなほろ苦さが春の到来を感じさせてくれます。

春野菜といえば、やっぱり苦味ですよね。菜の花の他にも、ふきのとうにタラの芽、山うど、こごみなど春に旬を迎える野菜や山菜は特有の苦味を持っています。この苦味は冬の間に体内に溜まった老廃物を排出するデトックス効果があるとか。

冬の寒さから解放され、体が自然と老廃物を排出しようとするこの季節、春野菜の苦味を取り入れて、身体を春モードに調整するのは自然の摂理。「春の皿には苦味を盛れ」という言葉があるほど栄養学的にも理にかなった食材なのです。

人間の味覚には五味といわれる甘味、酸味、塩味、旨味、苦味がありますが、子供の頃にはとにかくこの苦味が苦手で苦手で……。特に春野菜や山菜は苦味のオンパレードで美味しいと思ったことがないのに、大人になるにつれて春の苦味を美味しく感じるようになり、春の訪れを感じるなどとありがたがるのだから不思議なものです。

おいしさを引き出す、下ごしらえのひと手間

そんなこんなで、気軽に春気分を楽しめる菜の花を見かけるとついつい手に取ってしまうのです。買ってきたばかりの菜の花はきゅっと束ねられてなんだかちょっと窮屈そう。

ちょっとしたひと手間でさらに菜の花のみずみずしさを楽しむことができる。

まずはたっぷりの水を張ったボウルに浸して水分を十分に吸わせてあげます。そう、生花を水揚げするのと同じ要領です。すると葉先までピンとしてイキイキと生き返ります。淡い黄色とグリーンの組み合わせは見惚れてしまうほどの可愛らしさで、眺めているだけでキッチンがパッと明るくなります。グラスに挿してしばらく愛でてから、旬を感じながらいただけば二度美味しい。

まずは定番から。和で味わう春の一皿

菜の花というとまずはお浸しやからし和え。青々とした色味を残してシャキッと仕上げたいのですが、ちょうどいい茹で時間が意外に難しい。ちょっと油断しているとクタッとしてしまう。茹で方にもちょっとした注意が必要です。

短いものならそのままでも大丈夫ですが、長いものや茎の部分が太いものは蕾の部分と茎の部分が分かれるようにふたつに切り分けます。普通の太さのものなら、塩を加えた熱湯で茎は1分ほど、蕾は30秒ほど時間差で加えて茹でて冷水に取ります。その後は蕾を潰さないように気をつけながら丁寧に水気を絞れば下ごしらえが完了。

ゆでた菜の花はしっかり水けを絞ると、だしと調味料がよくしみ込む。

濃いめのお出汁に浸したり、辛子とだし醤油に酢を少々垂らした調味料で和えればOKです。その他にも酢味噌を添えてぬたにしたり、刻んでちらし寿司やおにぎりにするのも春らしい。

ほのかな菜の花の苦味、明太子の甘辛さ。春の行楽弁当にもおすすめ。

パスタからエスニック、オツな一品まで。
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