講演回や、イベントなど人前でお話しする機会がずいぶんと増えた1年でした。「探球論」も一年近くがたち、そこから出させてもらった『人に学び、人に生かす。』も、「読みました!」と声を掛けていただけることも多くとても嬉しいです。
WBCが近づいてきていますし、来年もいろいろなことがありそうなプロ野球界。いよいよ締めくくりです。
ということで今回は楽天イーグルスにやってきたふたりのベテランについて、一個人と解説者、ふたつの視点で書いてみたいと思います。
1)解説者、評論家の立場からピッチャー・前田健太を見ると…
・日米での輝かしい実績と38歳という現実
・平石洋介が考える「前田健太の起用法」
・ベテランキャッチャー・伊藤光選手の加入がもたらすもの
2)現役ドラフト「目を引いた選手」は?
・現役ドラフトとは?
・各チームの現役ドラフト指名選手
・指名リストから見えてくる、阪神の親心
・現役ドラフトを分岐点に大きく飛躍したーー細川成也選手、大竹耕太郎選手、水谷瞬選手
・現役ドラフトは非常に意義のある制度
1)評論家の立場からピッチャー・前田健太を見ると…
日米での輝かしい実績と38歳という現実
前田健太選手が日本復帰に際し移籍先を楽天に選んだことは、「平石洋介個人」としては非常に嬉しく思っています。
PL学園の後輩という縁もあって、これまでも交流がありました。
来シーズン、楽天の試合での解説などいろいろなところで顔を会わせる機会が増えそうです。実績のある選手だけに聞いてみたいこと、学びたいこともたくさんあります。とても楽しみだ、というのが本音です。
一方、「解説者・評論家としての平石洋介」の立場から、前田健太というピッチャーを客観的に見ると、まったく違う思いがあることも確かです。
広島の絶対エースとして君臨していた健太は、2016年に海を渡ってからドジャース、ツインズ、タイガースでプレー。今シーズンは5月に40人のロースター枠を外れカブスとマイナー契約を結び、その後、ヤンキースの3Aで投げていました。
僕はメジャーリーグに精通しておらず、アメリカでの健太の状態は把握できていません。わかるのはシーズン中、ときどきコミュニケーションを取った本人の言葉のみです。その点で、本人は復活に手ごたえを感じていました。
「シーズンの最後のほうは150キロも出るようになりましたし、球が走り出した感覚があります。いい形で終われたと思っています」
世界最高峰のメジャーで10年間も生き抜いた。21年に右ひじの靱帯を再建するトミー・ジョン手術をしたことで1年以上も実戦で投げられない苦難がありながらも、3度の2桁勝利を含む通算68勝は立派です。
実績が十分であることは誰もが認めています。
とはいえ...
