街を歩いていると、不意に耳に入ってくる言葉がある。誰かの会話、カフェのBGM、看板の文字。芸人・鈴木ジェロニモが、日常の中で出会った“ちょっと気になる言葉”に耳をすませて、思考を巡らせます。(連載の詳細はこちら)

かっこいいライブに出た。『Innercurrent gai seki 1st album release party』。パーカッショニスト・gai sekiさんのアルバムリリースパーティ。リリパ。さのみきひとさんとのデュオ「さのみきひと w/ 鈴木ジェロニモ」で出演し、さのさんの即興演奏を30分間説明した。えっ。どういうこと。私も思う。でも本当に、説明した、としか言いようがない。
到着すると既にリハーサルが行われていて、まあでも自分の時間には間に合ってるよな、と焦りを落ち着かせる。大丈夫になったところで、おざますおざますおざます、と来ました感を出す。
「あー! ジェロニモさんだ!」。リハーサルの手を止めて、さのさんが花火のように迎えてくださる。やあー、どうも、ありがとうございます。「動画、観させていただいてます」。Taikimenさん。えっまじっすかうわありがとうございます。「ジェロニモさん、今日は本当にありがとうございます。すみませんリハの時間押しちゃってて」。主催のgai sekiさん。いえいえ全然、こちらこそ今日はありがとうございます。御三方がそれぞれにパーカッションの配置や音響を入念に確認する。
Reo Anzaiさんのバイオリン。松丸契さんのサックス。他にも私にはどういう仕組みか分からない様々な楽器が今日のライブのために音を整えていく。「では続いて鈴木ジェロニモさん、お願いします」。はい。スタッフの方に促されてステージに向かう。私の位置にはマイクだけがある。
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