街を歩いていると、不意に耳に入ってくる言葉がある。誰かの会話、カフェのBGM、看板の文字。芸人・鈴木ジェロニモが、日常の中で出会った“ちょっと気になる言葉”に耳をすませて、思考を巡らせます。連載の詳細はこちら

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鈴木ジェロニモの「耳の音」#44「本当はオールで語りたい短歌の話」

 

「KINOFES 2026」に出演した。紀伊國屋書店新宿本店でのオールナイトイベント。歌人の上坂あゆ美さんとトークをさせていただく。

 上坂さんと話す、ということ以外は未定でタイトルや内容は私たちから提案してよい、と聞く。はーい、と返事をして満足していると上坂さんが打ち合わせしましょうと時間を設けてくださって、タイトルや内容についてどうしましょうかとGoogle Meet越しに話す。

「フェスということは熱量が伝わった方が良いですよね」「好きな短歌についてなら熱を持って話せそうですね」「話したい短歌をお互い2首ずつくらい持ち寄りましょう」。いやあ、ほんとですよねー、はあい、とぼやぼや言ってる間に上坂さんがそれいいですねという案をどんどん進めてくださる。後はまあ、タイトルですか。オールナイトだから、オール、徹夜、短歌でオール、みたいな。「あ、いいですね! じゃあこういうのはどうでしょう」。

「本当はオールで語りたい短歌の話」。

 はいこれ! と思う。めちゃくちゃ良い。ここで「本当は」や「語りたい」という言葉を持って来れるのが上坂さん。真骨頂を目の当たりにして、いやあ、これですよ、ほんとありがとうございます、とぼやぼや言う。...