街を歩いていると、不意に耳に入ってくる言葉がある。誰かの会話、カフェのBGM、看板の文字。芸人・鈴木ジェロニモが、日常の中で出会った“ちょっと気になる言葉”に耳をすませて、思考を巡らせます。連載の詳細はこちら

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鈴木ジェロニモの「耳の音」#46「みんなと逆やねんな」

 

「どるふぃんず」という芸人アカペラグループに所属していて、ハモネプに出たことがある。中学生の頃から夢だったハモネプを目指して大学でアカペラサークルに入るもそのときは結局出られず芸人になってようやく出られたというのは、なんだよまじあざす、と嬉しい驚きだった。大学生の私より芸人としての私の方が私としてはしっくり来ていて、そういう私の認識にハモネプが同意してくれたようにも思える。

 先日「Family vol.3」というアカペラライブに誘っていただき、どるふぃんずで出演した。普段のお笑いライブでは音響や照明を使った演出がない限り開演に間に合っていればよい、というような集まり方だったので、音楽ライブらしい集合時間の早さにおーすおすおすと、きっと思ってはいるが顔や声には出さないように気をつけて6人集合する。控え室で声出しと称して歌う。体がまだ起きていないことによる演奏の不穏さを、まだ声出しだから、と半笑いで乗り切る。

「どるふぃんずさんリハーサルです」。ステージのマイクを使い、足元のモニタースピーカーを聴きながらリハーサル。が、これが結構難しい。練習ではそれぞれの音を隣で直接聴きつつ歌う。しかしライブでは隣同士の生声は聴こえずモニタースピーカーの音だけを頼ることになるので、練習とは状況が異なる。あー、この感じ。歌いながらどうするどうする、と察し合う雰囲気は大学のアカペラサークルでの、汗がじんわり起き上がる緊張を思い出す。

 本番。1曲目を歌い終えて、...