街を歩いていると、不意に耳に入ってくる言葉がある。誰かの会話、カフェのBGM、看板の文字。芸人・鈴木ジェロニモが、日常の中で出会った“ちょっと気になる言葉”に耳をすませて、思考を巡らせます。連載の詳細はこちら

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「チリ」に出演した。ダックワーズという人力舎の後輩の、毎週新ネタライブ。えっ毎週、と思う。毎週新ネタを作る。良い。その意気込みだけだったら私は芸人として馴染みがある。しかし、毎週新ネタライブ。新ネタを作って、ライブまで行う。これは尋常ではない。

 さらにチリはそれに留まらない。過去の「チリ」のライブタイトルを見てみる。『チリ♯96 大運動会SP』『チリ♯93 全員逮捕 留置場SP』『チリ♯92 来れるもんなら来てみろ 栃木の洞窟SP』。サッカーコートや留置所や栃木の洞窟で、毎週、新ネタライブ。めちゃくちゃだ。頑張ってる、を超えている。そして今回。『チリ♯99 演者100人一斉平場大登場SP』。チリ、えっと、どういうこと。

 座・高円寺2。東京お笑いライブシーンにおける大きいライブ、良いライブといえば、に相応しい素敵な劇場。今日チリだ、と思いながらそこへ向かう。演者100人一斉平場大登場。どうやるんだろう。楽しみと心配はそっくりそのまま未来への感情に似ている。

「まずはこれだ!」「次はこの企画!」。ダックワーズのモナがマイクを持って、会場のスクリーンを駆使してライブを進めていく。おいなんだよこれー。どういうことだよー。最初は探り探りだった私たち100人の芸人。しかし次第に、ほとんど無意識に、流れに体が沿っていく。

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