街を歩いていると、不意に耳に入ってくる言葉がある。誰かの会話、カフェのBGM、看板の文字。芸人・鈴木ジェロニモが、日常の中で出会った“ちょっと気になる言葉”に耳をすませて、思考を巡らせます。連載の詳細はこちら

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鈴木ジェロニモの「耳の音」#31「ジェロちゃんだ!」

『マガジンハウス博』に行った。「ご都合があえばいかがでしょうか?」。大学時代の後輩からもう何年ぶりだろうかという連絡をもらう。マガハ博。InstagramのストーリーズやXのタイムラインに度々流れてきていて、あれこれ自分以外全員行ってるんじゃね、と気になっていた。久しぶりに話したいし、こういう連絡を大事にしようというフェーズにもあったのでそういう返事をする。

  ひとしきり見終わって、近くでいい感じのところ、と食事に行く。土曜日の銀座で5人座れて、となると私は何も思い付かない。「予約もできますし、とりあえずあっちですね」。私以外の4人はきちんと働いていて銀座に詳しく、彼らにのしのし付いていく。

「あ、ここ入れるんじゃないですか」。オープンテラスの、イタリアンっぽいお店。銀座って感じの良い服を着た方々や本場の味を知ってそうな外国の方がカジュアルに楽しんでいらっしゃる。おおー。全然いいし、なんかこう、30歳前後ってこうだよねと輪に入れたようで嬉しい。「お、$%&&*ですね」。たぶん1人が店名を言ったのだけど、うまく聞き取れない。筆記体で書かれた店名を私はまだちゃんと読めておらず、音もそれと同じように、たぶんこれを言ったんだよね、ということだけが分かる。

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