先日、「ミステリーの書き方」をテーマにしたLIVE配信に参加していただいた天祢涼さんの最新刊『その血は瞳に映らない』(光文社)を拝読しました。
SNSによる炎上、デマの拡散がテーマとして織り込まれた社会派ミステリーで、犯人が「死刑になりたかった」という動機で、母娘を襲い、母親が殺されるという事件から始まり、そこから物語にグイグイと引き込んでいきます。
キーワードとなるのが、「人は信じたいものしか信じない」という言葉。昨今の選挙をめぐるSNSの問題などをみるにつけて、非常に考えさせられる一言で、自分もそうではないかと自問自答させられます。
さて、作品は後半から怒涛の展開をみせるのですが、ミステリの醍醐味はやはり結末がどうなるのか。作者はどんなところから着想を得て、トリックを考えたのか、気になるのではないでしょうか。
額賀澪さんをホストにした、天祢涼さんのLIVE配信では、なんと著者自身がこれまでの作品のネタバレをしながらミステリの書き方を解説してくれるという、かなり貴重な内容になっています。
アーカイブをご覧になることができるので、ぜひとも見てみてください。
編集・雪