現在、地球の裏側にある南米のチリで、サッカーU-20W杯が開催されています。その名のとおり、20歳以下の世界一を決める大会です。
グループA組の日本は、エジプト、チリ、ニュージーランドと同居。エジプトとの初戦を2−0で完勝し、幸先の良いスタートを切りました。
U-20W杯で個人的に思い浮かぶのは、22年前の2003年UAE大会です。私が初めて海外の世界大会を取材した大会でもあります。
グループリーグ3戦目・エジプト戦。勝てば決勝トーナメント進出、負ければグループリーグ敗退の大一番で、日本の救世主となったのが当時、国見高校3年生のFW平山相太です。
0-0で迎えた76分、チーム唯一の高校生が決勝ゴールを決めるーー。若き才能の出現は、その後の輝かしい日本の未来を暗示しているようでした。
エジプト戦勝利で勢いに乗った日本はその後、目標のグループリーグ突破を果たすと、決勝トーナメント1回戦では世界大会で初めて韓国に勝利し、ベスト8進出を果たしたのです。
ベスト8では優勝したブラジルと対戦。1-5と完膚なきまでに叩きのめされたことも苦い思い出として残っています。
時計の針を今大会に戻すと、大会前、U-20日本代表の船越優蔵監督は「新しい歴史をつくる」と話しました。新しい歴史をつくるとは、つまり、優勝を意味します。
なぜなら、過去最高成績は1999年のナイジェリア大会(当時は世界ユース選手権)の準優勝だからです。当時、日本は小野伸二、本山雅志、高原直泰、稲本潤一、遠藤保仁、小笠原満男、酒井友之、中田浩二など、ゴールデンエイジと呼ばれるタレントが揃い、日本の”育成バブル”と言われていました。
U-20W杯は、育成年代の集大成となるため、その国の「サッカー力」が試され大会です。しかし近年、日本は2019年大会以降、ベスト16入りとなる決勝トーナメント進出を果たせていません。
今大会はぜひA代表に先駆けて、日本サッカーの育成の成果を示すべく、2003年のUAE大会以来となる「ベスト16の壁」を打ち破ってくれることを願っています🔥
(編集・小須田)