街を歩いていると、不意に耳に入ってくる言葉がある。誰かの会話、カフェのBGM、看板の文字。芸人・鈴木ジェロニモが、日常の中で出会った“ちょっと気になる言葉”に耳をすませて、思考を巡らせます。連載の詳細はこちら

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鈴木ジェロニモの「耳の音」#26「ラーメンは文脈」
『鈴木ジェロニモへ「説明」』
2025年9月30日(火) 23:59までアーカイブ視聴可能
https://premier.twitcasting.tv/loft9shibuya/shopcart/391897

『鈴木ジェロニモへ「説明」』というライブが行われた。開演前、楽屋でラーメンの話になる。構成作家として入ってくださっていたなんぶさんはラーメンがとてもお好きで、というか好きというレベルを超えていて、旅行に行くと1日で8杯ラーメンを食べたりするらしい。それって美味しいんですか、と聞くと「もちろん美味しいですし、ラーメンは文脈なんですよ」と返ってくる。

 新しくて最近話題のAという店に食べに行くと、そこの店主はどうやらBという店で修行していたらしい。じゃあ、と次はBを食べに行く。なるほど確かにこのスープのバランスはAと通ずるものがある。すると今度はBから派生したCという店を知る。Aの店主とCの店主はBの弟子として一緒に修行していた……。などなど、ある一つの美味しいラーメン店を知るとそこから樹形図のように文脈がどんどんひろがる。

「実はお笑いもそういうところがあると思うんです」。...