街を歩いていると、不意に耳に入ってくる言葉がある。誰かの会話、カフェのBGM、看板の文字。芸人・鈴木ジェロニモが、日常の中で出会った“ちょっと気になる言葉”に耳をすませて、思考を巡らせます。(連載の詳細はこちら)

明るい友達が誘ってくれてバーベキューに行く。横を流れる川がまた良い。水着を履いてほいほいと近づく。低くなった岩場の傾きに沿って水が、ひるるるるっ、と流れている。おーほー。そういえばこのために来たんだと鼓動する心臓に全身を委ねて、Tシャツを脱いで川に肌を当てる。ほっっ。水が冷たい。でもこれは、びっくり、の感覚に近くて本当に冷たいわけではないのだ、と脳に肌を宥めさせる。そうねそうねそうね、と従っていよいよ川に寝転ぶ。
川底の凹凸を無視すると水深は10cmくらいだろうか。浅い水風呂のように顔だけ浮かせて全身がちょうどとぷっと浸かるイメージで川底の石たちに背中を這わせる。ちょうどいい角度が見つかって、よし、と体を静かに置く。よーし。ん、うん、あれ。浸かったと思った体が、すいません、水面に出てますけど。...