先日、祖母の家に行ったとき、着付けが趣味の祖母から「もう着られないから」と、たくさんの着物や浴衣を見せてもらいました。何十年も前のものとは思えないくらい、柄や色使いが素敵なものばかり。

流行はいつか移り変わっていくものですが、時間が経っても色あせない美しさってこういうことだなあと実感しました。

祖母の趣味は着付けだけではなく、刺繍や編み物も。刺繍は、一枚の絵に沿って一針ずつ糸を通していくと、平面だった絵が少しずつ立体的になっていきます。同じ絵でも、どんな色を選ぶのか、どんなふうに糸を重ねるのかに正解はないので、自分次第。世界に一つだけの作品が出来上がります。

編み物も同じで、親戚の子どものためにつくった帽子や洋服などを見て「この子のためにつくったんだな」と思うと、また違った温かさを感じます。

着付け、刺繍、編み物、昔ながらの“おばあちゃんの趣味”には、どれも自分の手を使って何かをつくり上げるという共通点があることに気づきました。

仕事でも生活でも、今はほとんどのことがデジタルで完結します。便利になった一方で、自分の手で触る、考える、つくる機会は減っていると思います。だからこそ最近、編み物や刺繍のような手仕事に惹かれる人が多いのかなと。

祖母の家でいろいろなものを眺めながら、私も久しぶりに何か自分の手でつくってみたくなりました。

編集・竹内