ジャーナリスト提言!チュニジア、スウェーデンどう攻略すべき?

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グループリーグ初戦、優勝候補オランダ相手に2−2に持ち込んだ森保ジャパン。グループリーグ突破に向けて、第2戦のチュニジア戦、第3戦のスウェーデン戦をどう戦うべきか。

「ターゲットマンがいる状態で作っていくと、チュニジアは崩れやすい」
「3対4みたいな試合になるほどスウェーデンが有利になる」

新監督就任で読みにくさが増したチュニジアの実情、そしてギョケレシュとイサクという強力な2トップを抱えるスウェーデンへの対策まで、サッカージャーナリストの河治良幸とスポーツライターのミムラユウスケが徹底議論!

※収録日は5月15日

「ターゲットマンがいる状態で作ると、チュニジアは崩れやすい」

 

――チュニジア戦の印象はいかがですか。

河治良幸(以下、河治):チュニジアはアフコン(アフリカネーションズカップ)の結果がひどくて、監督が代わったんです(※チュニジアはGL第1戦終了後、サブリ・ラムシが解任され、エルヴェ・ルナールが新監督に就任した)。

だから、もうちょっと息のいい選手も来たかなっていう感じで、ここからどこまでやるかというところがあります。

3月の活動のときにハンニバルが欠場していたので、ハンニバルがどのくらい戻っているかが1つのポイントになる。唯一のプレミアリーグのプレイヤーですからね。直近の試合をスカウティングしてもハンニバルがいないので、ほぼ違うものになってしまう。しかもラムイス監督が3月に試しながらやっているわけじゃないですか。
 

 

ミムラユウスケ(以下、ミムラ):そうですね。思い出すのは2014年のブラジルワールドカップの前に、コスタリカが日本と戦って5点取られた話です。

それでもコスタリカは3試合の中で、いわゆる「3強1弱」と言われたグループを1位で抜けていった。だからチュニジアも3月の試合がこうだったから本番もこうだとは言えない。新監督になっていきなりあの結果になってしまったので、ぶっつけ本番よりむしろ分かりにくいかもしれないです。

ターンオーバーは(オランダ戦で)勝ち点1だと非常に難しい

――オランダ戦の結果(△2-2)によってスタメンは変わりますか。

河治:8試合をパッケージとして考えると、チュニジア戦かスウェーデン戦のどちらかでメンバー交代はするはずです。

完全なターンオーバーか半分かは別にして、ある程度かけてくるのがスウェーデン戦になるのかチュニジア戦になるのか、オランダ戦の結果で変わるかもしれない。勝ち点3が取れていたらチュニジア戦で思い切ったターンオーバーをして、またスウェーデン戦に向けて仕切り直すという選択肢もあるし、オランダ、チュニジアと畳みかけて取ってからスウェーデンという考え方もある。

ただ勝ち点1だと非常に難しいですね。

ミムラ:チュニジア戦は、ボールを日本が持つ側になるという想定のオーガナイズになるでしょう。オランダ戦とはそこが根本的に違ってくる。

3バックは変わらずで、左のウイングバックに中村敬斗選手、鎌田大地選手と佐野海舟選手もそのままかなと。前線は鈴木唯人選手か後藤啓介選手じゃないかと思っています。

河治:私は久保建英選手だけ変えて、そこを伊藤純也選手にするイメージです。それと小川航基選手のスタメンを使う可能性がある試合がどこかあると思っていて、終盤のジョーカーという感じではないと思うんです。

所属クラブで途中出場が多くなっているので、ゲーム体力を考えてスコットランド戦で後藤選手をスタメンにしたのかなという気もしていますが、どこかで上田選手をサブにして小川選手を入れるなら、このチュニジア戦ではないかなと。

前田大然選手と小川選手の2トップは決勝トーナメントまで隠しておいて、そこで「ドーン」と出すのが怖いと思っていますけどね。

 

 

ミムラ:前田大然選手と小川選手の2トップは決勝トーナメントだと思っています。相手もスカウティングが進んでお互いが知っている状況になったときに、あの2人を出す。ブラジルやそのクラスのディフェンダーが一番嫌なタイプですよ、あのコンビは。

河治:もし60分、70分過ぎに0-0のままだったら、サイドからのクロスでターゲットマンがちゃんといる状態で作っていくと、チュニジアって結構崩れやすいんですよ。

クロスに対する守備が弱点で、オランダやスウェーデン以上にクロスに弱い。後半は強度も下がってくる傾向があるので、後半勝負に行きやすい相手でもある。セカンドボールをどんどん拾っていくという展開が理想的です。

 

 

スポーツギロン

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「中村俊輔コーチは選手が聞いたからこそ響くアドバイスができる」

――コーチ陣の役割についても聞かせてください。

ミムラ:中村俊輔コーチは表向きにはPKのところでやってほしいということでしたが、基本的に選手目線で気づいて、優秀な質問が来たときにいい答えを返してくれるような存在だと思っています。

言わばAIのようなものですかね。

役割を決めないまま入ってきて、その中で何ができるかを探っている段階だと思う。2018年の時点で、西野監督が森保監督をあとの代表監督にするなら引き受けるという話があったとも言われていて、今後のことを考えてという部分が第1にあるんじゃないでしょうか。

河治:フリーキックについて言えば、日本のサッカーの歴史の中でプレースキックが一番うまかった選手ですから。

伊東純也選手、久保建英選手、鈴木唯人選手、堂安律選手の4人がコーナーを蹴ることになると思いますが、その選手たちに「どこを狙ってたんですか」「どういうイメージで消してたんですか」と聞けば、具体的なヒントを返してくれる。

私たちが俊輔さんに聞いても表面的な答えしか出てこないのに、優秀な質問をすると解像度が上がった答えが返ってくる。フリーキックはサッカーの中で一番ミクロな領域で、選手が聞いたからこそ響く言語化ができる人なんです。
 

「スウェーデン戦は打ち合いになるほど日本が不利になる」

 

――スウェーデンへの警戒ポイントはどこですか。

ミムラ:タレントだけ見ると攻撃が非常に豊富で、この4年間一番試合に出ていたのはクルゼフスキーでしたが、残念ながら今シーズンは怪我で出られていない。次に出ていたのがギョケレシュで、今はアーセナルですね。3月のプレーオフで大活躍して、そのあとクラブでも存在感が出てきた。そこにイサクが戻ってくるという話で、ポッター監督のマネジメントが難しいところです。

河治:イサクとギョケレシュを両方スタメンで使うなら2トップしかないですが、ギョケレシュをウイングに無理やり置くのもイメージしにくい。それだったらエランガやニグレンを出せばいい。ポッター監督がどういうふうに考えているのかは正直未知数です。

ギリギリでプレーオフを勝ち上がってきたから準備の余裕もそこまでない中で、イサクの復帰まで絡んでいる。チーム崩壊とまではいかないけれど、イサクはこだわりの強い選手なので、そこのマネジメントがうまくいかなければネガティブな方向に働く可能性もある。

 


ミムラ:基本的には5バックで、右のスベンソン選手と左のグドムンドソンはどちらも疲れていてもクロスをしっかり上げてくる。クロス対応が一つの鍵になる。

逆に谷口選手はディフェンスラインの設定も含めて勝負できると思っています。冨安選手をここで使って、ギョケレシュかイサクをガツッと止めるという起用もあるんじゃないでしょうか。ニグレンやエランガの突破をワイドの2人が抑えながら、ウイングバック同士のせめぎ合いがどちらに転ぶかというのが見どころになる。

河治:もう一人、私が危険視しているのがアヤリという選手です。

ブライトンのボランチで、ギョケレシュかイサクのところばかり見ていると後ろからそういう選手が来る。基本的にスウェーデン相手には日本がボール保持率50パーセント以上を確保してリスク管理をしながら戦わないといけない。

オランダ戦のようにイングランド戦的な戦い方をするのではなく、もっとボールを持ちながら相手の一発を抑えられるかどうかが問われる試合です。

 

 

「1点、2点は取れる。2-1で勝つ絵を描けるかどうか」

 

――日本はスウェーデンから点を取れると思いますか。

ミムラ:スウェーデンはオランダほど守備が硬くないので、日本は1点、2点は取れるんじゃないかなという感覚はあります。ただ最初から「取れる」と思ってかかったらだめで、結果的に取れるという感じで臨むことが大切ですね。

仮にスウェーデンに1失点したとしても2-1で勝つという絵を描けるかどうか。打ち合いになればなるほどスウェーデンが有利になる可能性が高いので、ロースコアの中でしっかり取り切る形が理想です。

河治:もしオランダとチュニジアに2連勝していれば考え方も変わってきますよね。勝ち点を取らなきゃいけないとなれば上田選手をしっかり使いながらオランダ戦に近い布陣になるにしても、もっとボールを持って高い位置でサッカーをするという部分は増える。

相手のフォワードに個でバトルする場面も想定して、冨安選手を満を持してスタメンに投入するような変更もあるかもしれない。スウェーデン戦でオランダ戦と全く同じメンバーに戻すということはないと思います。

河治:三苫薫選手がいたらもっと強かったというのは正直あって、ラウンド16から先のトリガーになり得た選手でしたよね。

今の布陣は三苫選手の推進力と南野拓実選手の高い位置からの守備がない前提で組んでいるので、そこはセットバックした部分は否めない。ただ今のメンバーで言えば、塩貝健人選手と後藤啓介選手という若い選手をダブルで選んだことの未知の爆発力があります。

前回のカタール大会で浅野拓磨選手が想定以上の活躍をしたように、今回もどこかで誰かが突き抜けると思っています。

 

ミムラ:ほぼ同じ能力だったら若い選手にするというのが森保監督の信念ですから。前回もそれで手応えがあったし、今回も攻撃的なポジションには若い選手を大胆に起用している。その2人がヒーローになっていって、2030年の核になっていく流れを期待したいですね。
 

フルバージョン「チュニジア戦で決めるべき?「1勝2分・勝点5」シナリオと天敵スウェーデン対策」👇

 【スポー”ツギ”ロン#7(ミムラユウスケ×河治良幸)のテーマ】
前編 「26人」から推理する森保ジャパンの戦略
中編 初戦オランダは「勝点1で十分」? 
後編 チュニジア戦で決めるべき?「1勝2分・勝点5」シナリオと天敵スウェーデン対策
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