遠藤航、代表離脱。引退――
日本時間6月11日、27時56分(12日3時56分)――。そのLINE通知に思わず絶句しました。
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遠藤航選手の代表離脱・引退。担当編集として整理しながら、遠藤航という選手の人間性、その一面を伝えてみたいと思います。
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LINE通知から2時間ほど前の25時10分ころ。日本代表から遠藤航選手が離脱する、という発表がありました。
「離脱」を知ったときまず僕個人が感じたのはほとんど「焦り」だった気がします。
この人に、あの人に、このサイトに、この場所に……少しでも情報を求めて「欠けてるもの」を埋めようとかき集めようとしていました。
というのも、僕(たち)にとってこの6月12日は遠藤航選手の新刊の発売日でした。
「STEP」と題されたその本はかなり面白いです。
トップアスリートが、日本代表のキャプテンが、世界的ビッグクラブ・リバプールの選手が、起きたことに対してどんなふうに考えたのか、行動したのか。こんなにも言葉を尽くしてくれることはない。そう思えるほど贅沢な一冊だと思います。
そんな貴重な一冊が、ワールドカップという世界的イベントのタイミングで出る。書店さんも期待をし、棚を作り、ポップを作り、と多くの時間をかけて発売を楽しみにしてくれていました。
だから焦りました。
「SNSのこの表記は消すべき?」「あの広告は止めなきゃ」「書店さん……大丈夫かな……」
情報を集めながら、色んな人と電話をし、できる作業をする。
……そうして数十分が経ったとき、手が止まります。
――すでに合宿地を離れた。
発表にあった一文が、ふと目の前に降りてきたようでした。
ここからはもう仕事が手につかない。言葉通りの状態でした。
その行動にはいかばかりの想いが詰まっていたのか……現在の遠藤さんの姿を、頭の中を想像するだけで、悲しみと苦しさだけが襲ってきました。
この1年、リバプールでの出場機会が限られる中、どれほどの想いでいたか。
自宅で倒れ込むほどのランニングをしたこと。
ようやくスロット監督の信頼を勝ち得たと思ったとき大きな怪我をしたこと。
リハビリが始まっても「ただ治すだけじゃなくパワーアップしてピッチに戻る」とひたすら鍛え抜いたこと。
努力だけではなかったと思います。
ふつうだったら「怒るよな」と思うことを言われても「いいんですよ」と、心にしまってワールドカップに照準を当てたこと。
淡々としたその姿は「強さ」と表現されますが、ときに僕には「最強の強がり」にも見えました。
もっと「きついっす!!」って言ってもいいのに、と(もちろん、どこかでそういう姿を見せていたのかもしれないですが)。
そんな遠藤さんが選手とも話さず離れた……。
苦しさは、思いは、いかほどだったのだろう。
メディアに身を置く人間として失格ではありますが、とにかく冷静ではいられませんでした。
衝撃の続報はXの更新でした。
代表離脱を告げるツイートに「代表引退」まで口にした。
「今じゃないだろ!」
そう突っ込みたくなって僕自身はようやく正気に戻った気がします。
しばらく経った日本時間6月12日、朝3時56分。
スマートフォンにLINEの通知がありました。
「本が売れなかったらすみません」
言葉がありませんでした。
どこまで強い人なのよ。そんなこと気にしなくていいのに。
目が冴えていたのに、ふと眠気が襲ってきたことを覚えています。ああ、遠藤さんは大丈夫だ。ちゃんと判断したんだ、と。
そして思ったのです。
「本を少しでも多くの人に届ける」
今はワールドカップを見るのがけっこう、つらいです。でも、仕事だから見ます。見ています。
4年間夢に見た舞台に立つことができなかった人がいます。
代表ラストマッチとなってしまった遠藤さんは、ケガをしている状態で国立に詰めかけたファンの前で言いました。
「ここに入れなかったメンバー、ケガをして残念ながら来られなかったメンバー……その思いを常に背負って、どんなことがあろうと、僕らは最後まで戦い抜きたいと思います」
誰よりその思いを汲んでいた人が、それを貫くことができなかった。
僕らはまだ、本を届ける、という仕事ができます。
「STEP」には、目標が達成できなかったときの心構えが記されています。
――【きついときに落ちない、しんどさ耐性を持つ】 ――【ステップを下りない、過信のメンタリティ】
どういうときにそれを感じ、どう解釈したか。ぜひその真髄は『STEP 夢を叶える33のブースター』で読んでみてください。

【一部が読めます】
https://www.synchronous.jp/articles/-/3874
https://www.synchronous.jp/articles/-/3828
https://www.synchronous.jp/articles/-/3830
次は実際に「遠藤さんがやってきたこと」と、視点を変えて「差希代最強と2026は何を残すのか――日本代表と組織考察」を書いてみたいと思います。
