先週の担当回でも触れた『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』を観てきました。
夏休み映画らしい冒険活劇に、原作者・ナガノさんならではのセンスが組み合わさった、素晴らしいエンタメ作品でした! 期待していた音楽にも大満足で、今もサウンドトラックを聴き続けています。
(木曜日担当の編集Yさんの記事でもレビューされています!)
Xなどでも評判になっている通り、スクリーンで動き回るちいかわたちのキュートさと、後を引く哀愁や怖さが同居している点は、本作の大きな魅力です。
今回の映画を観て、私はナガノさんの過去作『もぐらコロッケ』シリーズも改めて読み返したくなりました。というのも、絶妙なバランスで幅広く楽しめる『映画ちいかわ』に対して、『もぐらコロッケ』は、ナガノさんのセンスを原液に近い濃さで味わえる作品だと思うからです。
共食いに目覚めた個体、海に憧れる個体など、シンプルでかわいい見た目に反して、もぐコロたちはそれぞれ複雑な内面やドラマを抱えています。かわいい世界に突如現れるモンスターも、見た目こそ愛らしいものの、何を考えているのか分からず話も通じない不気味な存在です。こうした『もぐらコロッケ』の魅力は、『ちいかわ』の面白さにも通じているように感じます。
そして、私がこうしたキャラクターに惹かれるのは、今に始まったことではないのかもしれないと思えてきました。例えば、子どものころに親しんだ「たれぱんだ」や「こげぱん」なども、ただかわいいだけではなく、どこかに哀愁や不穏をまとっていました。同世代の人たちの中には、同じような思い出を持つ人も多いのではないでしょうか。
ナガノ作品の「かわいくてこわい」魅力はまったくの突然変異ではなく、以前から親しまれてきた「かわいいだけではない」キャラクターたちの延長線上にあるのかもしれません。『映画ちいかわ』をきっかけに、これまで見てきた「かわいいものたち」の複雑な側面に、改めて思いを馳せています。
(編集・谷本)